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そのあと、ビンゴがあったり、何人か調子に乗って一発芸とかやりだしたり、だいぶにぎやかになったが、僕と北条は、その輪の中には入れず、傍観者になっていた。
咲丘さんも最後まで女子グループの中にいて、結局ほかのグループとは交わらなかった。
快活な女子が咲丘さんを守っているようでもあった。
快活な女子は”あこ”と呼ばれている。
たまにこちらに目線を送ってくる様な気がした。
咲丘さんがこちらに目線を送ってくるようなことはなかった。
僕など眼中にないのだなと半ば投げやりな気持ちになっていた。
そうなると早くこの会を抜け出して静かなところに行きたくなった。
北条もだいたいおんなじことを考えていたのだろう。
「そろそろ帰ろうか。」
「そうだね。」
「二次会とか面倒だし。」
そういってふたりして出口へ向かった。
会費は先に払ってあったから既に何人かはここを後にしている。
誰も呼び止める者はいなかった。
外は、少し寒くてそろそろコートが必要な季節になっていた。
駅まで無言で歩いた。
改札のところで、ちょっと寄るところがあると言って北条は、家とは逆の方向の電車に乗っていった。
ひとり、電車の中で、咲丘さんの笑顔を思い出して溜息が出た。
高嶺の花だな。思わず声に出しそうになった。
気持ちを切り替えようとチェキ会のことを考えようとしたが、うまく切り替わらない。
またため息がでた。
家についても、もんもんとしてやり切れない気持ちになっていた。
何を期待していたのだろう。
馬鹿だなあと自暴自棄になっていった。
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