13
それでも何日かして日常を取り戻していた。
三日後にはチェキ会が待っている。
今日は、山本さん宅を尋ねた。
イチローさんは、ななちゃんの写真を切り抜いてオブジェみたいな
コラージュを作っていた。
「力作じゃないですか。」
「ちょっと気合がはいっちゃったよ。」
この写真好きです。
この間のななちゃんメールにあった写真を指すと、イチローさんも、そうそうこれいいよねって言って賛同する。
ななちゃんの自撮りで、いわゆる映えてるってやつ。
ななちゃんはあんまり自撮りを載せないけど、これは出来が良かったのだろう。
まあ、出来が悪くても載せてほしいけど。
「同期会どうだった?」
「ああ、まあ普通ですよ。」
「その感じは、いまいちだったね。」
「うん。」
「はは。苦手だと思うから、そういうの。」
「その通りです。」
イチローさんには、この間、同期会があるって話をしていた。
その時は、楽しみでちょっと上機嫌で話していたけど、イチローさんはなんだろう、こうなるってことを察していたのかもしれない。
イチローになんか心の中を見透かされている気がした。
「飲もう飲もう」
そう言って冷蔵庫からレモンチューハイを出してくれた。
冷えたチューハイがおいしかった。
もう少しでイチローさんをハグしそうになった。
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