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山本さんの家で次のチェキ会について話していた。ジローさんも居た。
今までチェキ会がなかったのは、ななちゃんのいるグループは、人数も多く、チェキ会は実施が難しいと言われていたからだ。
とジローさんが説明してくれた。
「話せるんですか。」
「チェキを撮ったあと、サインを書くのであればその時間は話せるよ。」
ジローさんの好きなグループでは、サインありのチェキ会がいつも行われているということだった。
「そうですか。緊張しそうだなあ。」
「二回握手会行ったんでしょ。」
「行きましたけど、まだまだ全然緊張します。」
「イチローほどじゃないでしょ。」と言って、笑った。
「お前はいいよな。緊張しなくて。」イチローさんは、ふてくされたようにそう言った。
不思議な双子だ。性格が全く違う。そういうものなのか。
「緊張するかもだけど、行かないとな」とイチローさんは何か決心でもしたように言う。
「そうですね。行かないとです。」僕も同じような気持ちで言った。
「なんだか大げさだなあ」また、ジローさんが笑う。
今度は三人で笑った。
いやー、決心しないと。ほんとにそう思う。
もっといっぱい会って、認知されたいし。
「なんだ考えこんじゃったか。」ジローさんに顔をまじまじとみられる。
「ジローさんは、今週イベントないんですか。」
今週は、コンサートが近くてイベントがないのだという。
そういえば、ジローさんが家にずっといるのは珍しい。
なんか手持無沙汰で暇そうにしてる。
「暇なんでしょ。」
「そりゃそうだ。コンサートが待ち遠しいよ。」
それからひとしきりコンサートの話で盛り上がった。
ななちゃんのグループとは、だいぶコンサートの構成も違うようだ。
ちょっとジローさん推しのグループにも行きたくなった。
じゃあチェキ会で会いましょうとイチローさんと約束して、山本さん宅をあとにした。
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