第23話

「タバコ?」


「っふう。」


 煙が充満する。


「けむたい。」


「少し我慢してね。」


 殺虫効果のある煙に命を吹き込む。

 形状は前と同じような蛇の類。


 自分から纏わりつき捕食をする殺虫剤。

 虫を喰らい、殺虫成分を生成する。

 絡みつく、生命は甲虫種と同じ構造を持つシャコにも友好的な殺虫力。


「虫は嫌いだ。

 食べる分には好きだけど、本能のままに来るからねえ。

 生命のシステムの感情を入れる前の最高傑作だからねえ。

 人間は人類を創造することを愛して止まなかった時代があったのに。」

 

 無機質なシャコには物おじせず突き進んでいく。

 殺虫剤でからみとっても、一切物怖じしない。


「一先ず、家に帰るまではタバコを吸わせてもらうよ。」


「え?

 でも大丈夫なの?

 むっちゃっ突っ込んでくるけど。

 激闘したら痛そうだけど。

 ダイジョウブナノコレ?」


 凄い威勢で突き進み、向かってくるシャコに対して行っているのは先ほどと同じ行為。


「大丈夫大丈夫。

 術式は組んである。」

 

 命を吹き込むことで、生存競争を確立させる術式。

 生存競争に加わるということは敵の弱点を分析し順応する。

 勝手に虫を殺すために進化し続ける殺虫剤。

 

 一歩間違えば人間事殺しかねないので、対象を指定し、殺害次第消滅するように組んだ。

 錬金術師が忌避されるのは暴走状態に陥ったり、人外の姿に成るのが宗教的観点から禁忌とされている。

 現段階の錬金術師では、獣人を創り出そうとする輩は先ずいない。


「こんなのドラゴンクエス〇の魔王でもしたことないんじゃない?」


「うーん、ム〇ーを操っていた当たりの黒幕ならやっているのではないかな。」


「確かに。

 人造魔王を作っていたもんね。

 魔王は作れるの?」


「魔王も作れるとは思うけど、暴走する可能性大だし、自浄作用のある木としてしか作る気はないかな。」


「木とかで魔王にすることが出来るんだ。」


「詳しいことは省くけど魔王を作るのは簡単だよ。」


「簡単なんだ。

 でも、エレンツォは魔王にならないの。

 魔王になった方お揃いで良いじゃん。

 僕は悪魔だから、同じ魔だよ魔なんだよ。」


「リスクがあるから、私としては面倒なところは避けたいね。

 まずはアンズがアーモンドさんとしてどれくらい生きられるのかを知る必要があるよ。

 もし私が魔王になり寿命が延びたとしてもアーモンドさんが先に無くなってしまう可能性もあるし、その逆もしかり、どっちの場合でも私は一緒に居て一緒に終わりたいって思ってる。

 この我が儘を聞いてくれるかい。」


 アンズは満面の笑みを浮かべて。

 

「うん!もちろん!」


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スライム道

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