第22話

 寄り合いを何とか逃げ切ると早々に徒歩で帰り道についていた。

 もちろんもう夜だ。


 「なんとか凌ぎきれたけど。

 しばらくは寄り合いに行きたくはないねえ。」


「その分私とイチャイチャラブラブタクティクスをしようね。」


「そういうことじゃないんだけど。」


 飲み会を優先するよりも家族を優先してほしい妻の感覚か。

 人生の墓場の楽園。

 この店名にした理由から店に引きこもりたくなるのかな。


 某楽園番組から建てた店だけど。

 確かに逃げ道として用意されるとみんなそこに行きたくなるわ。

 これからは趣味をよりできるような店にしたいな。


「あ、ウサギだ。」


「え?」


 夜の時間の小道にウサギが来た。

 これは不味い。


「ちょっと急ぐよ。

 近くに面倒なのが潜んでる可能性がある。」


 小動物は警戒心が非常に高い。

 命の危険の連鎖の最初の犠牲者になるからだ。

 最初の犠牲者候補が、捕食者、人間が多く動く道。

 野営をするため火の匂い、肉の焼け焦げた臭いも染みつく場所に警戒心剥き出しの犠牲者は望んでくるだろうか。


 人間という捕食者よりも、より恐ろしい捕食者が現れた。

 この森にすむ最強の名を知らしめる生物は、複数いる。

 空の強者、陸の強者、水の強者。

 生態系ピラミッドの頂点に君臨するモノは皆、他の頂点を狙っている。


「何が来るの?」


「守るのが中々に骨が折れる敵でねえ。

 死ぬことは無いけど、痛いよ。」


 護り切れるかどうかは、錬成の制度次第。


「何が来るの。」


「トンボ、アリ、シャコ。

 全部、強いよ。」


 それぞれ空、陸、水を制している節足動物。

 彼らは小型ではあるが大鷲、熊、鮫などを余裕で倒し捕食する戦闘力を持っている。

 

「戦闘力5のゴミじゃない。

 戦闘力53万のフリ〇サ様だ。」


「マジ?」


「マジ。

 あのウサギも多分トンボかアリから逃げてきたとは思う。」


 この森が火薬庫と言われる理由の1つ。

 彼らを軍事目的で兵器として利用し、国1つ滅ぼした記録があるほどに恐ろしい生物たち。

 火薬庫を攻略すればするほど生物を手に入れることも、火薬を補充することもできる。


 はやいとこ家に行きたいなあと思っていると、無音の拳、甲羅から洩れる火花、それを掻き消す拳圧。


「あ、シャコが来た。」


 予想が外れ、水の方から進出してきた。

 彼らは水陸両用の驚異的な皮膚(甲羅)を用いた呼吸を会得している。


 タバコを吸う暇もなく放たれる飛ぶ拳撃は、撃ち落とすのがめんどい。

 面積小さいのに鋭い広範囲攻撃。


「ごめん、ちょっと吸うわ。」


「え?何かされてるの?」


 タバコを取り出して第二ステージへと移行する。


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スライム道

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