第24話
「まだ休日ですが、何かしてみたいことはありますか?」
「今日も休日なんだ。
うーんやりたいこと……魔法を使ってみたい。」
「わかりました。
私が初歩ですが魔法を手解きしましょう。」
「魔法ってあの蛇みたいなの?」
「アレは少々毛色の異なる魔術ですので、除外しますが、今回行っていただくのは鍛錬次第では同じようなことができる魔術ですね。」
「はーい!」
「まずは朝ごはんを作りますからお手伝いお願いします。」
「うん!」
テキパキと野菜を切り、鍋に投入していく。
日本人にとてもなじみ深い朝食を今日は作る。
「ところで何を作ってるの?」
「東北民が懐かしむかもしれない料理かな。」
作っていたのはウーメンだ。
本来は醤油を使うが、今は作っていない。
ウーメンは完全な趣味で作っている保存食としての側面が強い。
そろそろ賞味期限切れに成ると鼻が言っていたので作っていた。
「これ?
短い素麵?」
「ウーメンって料理、私もよく覚えていないけど中々美味しいよ。」
「このおつゆで食べるんだ。」
「醤油を作っていないのが痛かったかな?」
「大丈夫大丈夫。
野菜の前に何か入れていたけどそれは?」
「食べてからのお楽しみ。」
お楽しみが一番怖いよ。
楽しみだけど。
「まあまあ、暖かいうちに食べよっか。」
入れてからすぐに茹で上がったウーメンはとても暖かかった。
「具だくさんなのにお腹に優しいね。」
「よそのウーメンは知らないけど、うちのはお酒の後の朝食だからとってもすっきりしているのが特徴なんだ。
他は醤油を使うからもうちょっと味が濃いらしいけどね。
にゅう麺に近い感覚かな。」
「卵が入っていないのにここまで優しい味を出すのって何か秘密があるの?」
「秘密ってものでもないよ。
これを入れただけさ。」
「高野豆腐だよね。」
「そ、高野豆腐。
豆腐自体は万国共通の大豆加工食品だから、お店でも出したりするけど。
だしをしみこませてから干しておくととても豊かで優しい味を出すんだよね。」
「僕も料理できるようになりたいな。
これからは僕が朝ごはん作れるように練習してみてもいい?」
「まかない程度であれば、仕事の合間にでも作っても大丈夫だよ。
材料は許容の範囲内でね。
日本みたいにすぐに手に入るわけじゃないから。」
ウーメンは野菜と高野豆腐の出汁が程よく聞いていて、シジミの味噌汁よりも薄めながらも体に染みわたるような味。
確かに昨日は大変だったけども寄りあいでお酒をある程度嗜んでいる後のこれは身に染みるなあ。
のんべえの朝食みたい。
健康には良いけどふとそう思ってしまった。
でも醤油は恋しい。
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スライム道
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