第19話
「えっと、そろそろ寄りあいに行くよ。」
この場でうずくまれるのは外聞が悪い。
彼女たちが口論していたのはただの痴話喧嘩として認識しているけど、一応は貴族の令嬢だし、内情を知っている人達で無ければ勘違いしてしまう。
「うん、寄り合いってどんな料理が出るの?」
「基本的にはこの近くで取れる野菜や魚介類かな。
肉はあんまりでないよ。」
「この辺に海なんかあるの?」
「塩を含んだ河があってね。
そこから生まれる同時の生態系を持つ魚介類が取れるんだよ。
とても美味しいよ。」
飲み水となる川もあり、生活に非常に適した土地となっている。
王都以上に王都に適した土地。
時期王都と言われる都を作り上げた人はまだ世間には解っていない。
「あそこが寄り合いの会場。
領主様の屋敷でもあるから、粗相はなるべくしないようにね。」
あくまでも平民の会合という名目があるので領主様も多めに目を瞑ってくれる。
軍国というだけあってそれなりの教育はされているが他国からも来る商人やその他ギルドでの会合ではある程度は許される。
他国にも情報を流す名目もあるこの会合。
「とはいっても僕たちはただ楽しむだけなんだけどね。」
平和が一番。
モットーは日本に居た頃と変わらず命を大事に。
命があれば何度でもやり直すチャンスはある。
「デッカイねえ。
美術館か博物館みたい。」
「あながち間違いではないね。
貴族の館はそもそも絵画や剥製なんか置いてあるしね。
でもそれが出てくるってことは日本国外の美術館に行ったことがあるのかい?」
「うん、大学の卒業旅行で1回ニューヨークに行ったんだ。
そこで見てきたよ。」
ちょっとずれているような気もするけど、卒業旅行で海外に行くのは珍しい。
「海外旅行か、行ってみたい気持ちはあったけどね。
本州から北海道にしか言ったことなかったよ。」
それも出張で、取引先が札幌に本社を構える会社で重要な会議があったとかで言ったくらいだったね。
しかも真冬。
死ぬかと思った。
「?」
意味が解らないのか首を傾げているアンズさん、否アーモンドさん。
かわいい。
偶にアーモンドさんの元の顔とみられる人の顔の幻影が見えそうなんだけど。
どっちも可愛く見える。
「ほら、とんちの話だよ。
海外旅行に行きたいって言ったら、住んでいるところ以外、北海道、本州、四国、九州で行けるとんちの話。」
「あー、
「そういうこと。」
「社会科の先生とかが言っていた気がする。」
「まあ、もう海外旅行には行けないし、この世界で行くにしても、
東京以外の摩天楼を見るのもこの世界では何十年後の話になるんだろうか。」
「そう思うとさみしくなるね。」
「うん、でも結婚生活は暖かくね。」
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スライム道
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