第18話
「復縁するかどうかは私の判断にゆだねられると思うけど。
それって確か、いつでも戻ってきてもいいという内容の手紙だったはずだけど。
この国の国民でもない私に効力があると思っているのかい?」
「そんなの家族の縁を戻すのですよ。
普通は入るに決まっているでしょうに。
あなたには情は無いのですか。」
「先に情を切ったのがあちらだ。
国王として生きることを選んだあの男ならば、当然の決断と言えるでしょう。
ここで復縁をしてしまっては王としての判断を鈍らせる要因にしかなりませぬ。
本当に情を訴えるのなら、国賓として迎えるべきですが私はそれすらも断っています。」
この理由はあなたならわかりますよね。
と何回も言っているセリフを連ねていく。
「なら、私と結婚するくらいいいではありませんか。」
「私は結婚するなら、愛を感じた人と決めているのですよ。」
「その悪魔に愛を感じたと?」
「少なくともあなたの愛は友愛が近しいでしょう。
彼女は恋愛だった。
それだけの事ですよ。」
「僕は、恋しているんだもん。」
「私のどこが友愛だと思ったのか、お聞きしてもよろしいでしょうか。
今まで、幾度となく結婚の申し込みをさせていただきましたが、このように言われたのは初めてですの。
改めて参考にお聞きしたく思いますわ。」
幾度となく許嫁だったことを盾に結婚しないかと言ってきていたからね。
私がその理由を答えようとするが、アンズさんが遮った。
「僕でもわかるよ。
だってあなた、好きだって言葉を言うそぶりも無かったもの。
友人だから解って当然みたいな考えがあったんじゃないの?
エレンツォのお店に来る人で恋している人でも、好きだから誘っている雰囲気を出すのにあなたにはそれが無いじゃない。」
好意を出している努力。
オシャレしたり、自分の良いところを知ってもらおうとする努力が見受けられない。
恋愛の大前提、好意の表れが一切ない。
「それは貴族として、当然のふるまいをしていればそれが一番良いモノに成るだけです。」
「なら髪型を変えるとかしてみた。
ロングが駄目なら髪を結んでみたり、編んでみるのもいいかもしれない。
化粧はしょうがないにしても、他にもプレゼントを贈るとかできたよね。
エレンツォの部屋にはそんなのなかったよ。
他のお客さんのプレゼントは飾って会ったりしたけど、あなたのプレゼントは1つも見つからなかったのはどういうことなの。」
「私がどういうプレゼントを渡せば良いかわからなかったんです。」
「幼馴染なんだよね。
それくらい知っていると思って関わりを持たなかったのに渡せなかったの?
幼いころに好きだったものとか覚えられていない、覚えていたとしても渡そうとしない時点で家に言われたことだから、しょうがなく結婚を申し込んでいると思われてもしょうがなくない?」
ここまで言い切ると元許嫁は、地面に膝をつきそうになり、近くの侍従に支えられていた。
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スライム道
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