第17話

 マチナウ

 

 異世界初めての町。

 人がゴミのようにあふれかえる日本の首都、東京と違い馬車が通れるスペースを軸とした街並みが広がっている。

 なんというかキッチリしている?


「ここは東京のような元々の都市を改造したところとは違って新しく作った都市。

 王都よりも後にできた都市だからきちんと都市計画が組まれてからできているから綺麗に見受けられると思います。」


「ここはどこの国なの?」


「ローウェル。

 ローウェル・ユナイテッド・ボーン

 通称軍国とも称される王国だよ。

 5か国の中でも最も軍事力にたけた国で富国強兵を目指す旧時代の日本のような国が一番合っているかな。」


「結構、服装のしっかりした人が多いね。」


「住民票とかも性格に把握しているし、税金を取り立てては還元もできている点がこの国の支持率、支配力を高めた成果になっているかな。

 服装なんかも、食料に余裕があるからお金を使う余裕がある。」


「異世界って、あんまり地球と変わらないんだね。」


「貧富の格差が酷い国は結構あるよ。

 特にアンズを召喚した国は孤児院が必要なくらいには酷いね。

 ここには孤児院なんてものはない。

 教育機関と孤児院が混ざっているから将来の投資として国の事業が運営している。

 孤児ではなく国の人材として育てているから中々いいものだよ。」


 軍国と言っているのに孤児院が無いのは戦争をしても、残された人たちを受け入れる機関があるから。


「ちなみになんだけど、エレンツォはどういう家の出なの?」


「一応王族、もう縁は切ったから関係は無いけどね。」


「どこが一応王族ですか。

 元王太子の癖に、そしてそこの女は誰ですか。

 私という許嫁が居ながらどういう了見で他の女性と一緒に居るのですか。」


 振り向けば、十人は一目惚れしそうな麗しい美人が居た。

 金髪碧眼、縦ロールにしなくてもボリュームと艶のあるストレート。

 スラっとした体形に目を見張る胸部は男性の理想そのものだろう。


「一応王族でいいさ。

 縁を切られた以上は許嫁も親であった王が決めたことだそれ以上でもそれ以下でもない。」


 最大のライバル認定を即座に把握。


「初めまして、僕はエレンツォの妻であるアンズだよ。」


「私は婚約者であるレイナ・クイーン・ローウェルと申します。

 どうぞ良しなに。」


「ちょっと自己紹介が間違っているんじゃないかな。

 元婚約者でしょう。

 妻である僕の前でそんな戯言言うのはちょっとお小言過ぎるかな。」


「いいえ、私は婚約者で間違いありません。

 見てくださいこの王印付の契約書を、エレンツォ様の縁切りを撤回しております。」


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スライム道

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