第11話
「エレンツォさん、今の方は一体?」
従業員が来る場所には無音になる結界を張っている。
お客様の内緒話を聞かないようにするためと、自身たちの不明な点を聞かせないようにするためだ。
お客様には無音結界の中にも入る呼び鈴で
「常連の方で魔導士ギルド・死霊の宴(リッチカーニバル)のAA級の人だったね。」
「AA級って何?」
「ギルドごとによって評価方法は様々、死霊の宴ではAAA級が最高ランクとしたギルドだね。
ギルドというのは集団であって、評価そこのマスターに委ねられる。
商業には商業のギルドがあり、その中でも水産物に特化した商業ギルドや自分で狩りを行う狩人直営の商業ギルドもある。
俗にいう冒険者ギルドに近いモノは騎士ギルド、魔導士ギルド、傭兵ギルドと言った主な三種のギルドが行っている。
そのほかにも術を学ぶための術小屋が存在するし、世界的な影響力を持っているのは各ギルドを束ねる評議員とそのさらに上に成る各国の世界会議が正しいかな。」
冒険者ギルドなんて治外法権的な存在ができてしまうのは国に間者が入りますよと言っているようなもので危険極まりない。
かつてはこの世界に蔓延る害悪を排除するために発足されたこともあったらしいが、今はその手の害悪もないため各国が分散化させたのが始まりと言われている。
「ほへえ、ライトノベル系の異世界転移だと冒険者ギルドが定番なのに違うんだ。
大体の漫画でも超巨大組織みたいなものがあるものだと勝手に思ってたけど、私を召喚した国は違うの?」
「ああ、あそこは宗教国家だから。
宗教はどう頑張っても切っても切り離せない国の厄介ものだからねえ。」
「そうなの?」
「宗教の開祖が居る時代で狂うことはそうそうないけど、拡大解釈とか間違った解釈を続けたまま大きくなるケースが多いんだ。
元居た世界でも結構あったよ。
そういうことは。
要は宗教は国の垣根を軽々超えてくる。
それが宗教国家なんてものが出来上がってしまうとこっちも迷惑しちゃうんだよね。
あそこの上司も部下の暴走で召喚していたみたいだし今回は迷惑かけたみたい。」
「いやいや、召喚されてなかったら僕死んでたから大丈夫!」
「一人称。」
「あ、ごめんなさい。」
「冗談ですよ。」
プクーとフグのように膨れ上がった。
可愛い。
膨れ上がった頬を突きたくなる衝動をこらえながら料理をする。
「しかし、宗教は国や政治家にとってはある種の脅威になります。
国として最優先に機能している国ならば、利益を第一に国民の生活を守ることを優先します。
ですが宗教の方が勝ってしまうと国民の生活を捨ててまで行動を起こそうとする。
国民もそれが正しいこと、もしくは逆らってはいけないことだと思ってしまう。
しかし、利益ばかり優先してしまっては心のよりどころとなるモノが無くなる。
それこそ私がアンズさんのV活動を推していたのと同じ理屈ですね。
生活の一部として扱うことで心が楽になる原理です。」
するとフグの顔が赤くなっていき蒸気を至る所から出し始めた。
何この可愛い生物。
あ、小悪魔でした。
かわいい。
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メイン小説
換金スキルとショップスキルでバグ技現代無双〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる~
酔っぱらってダンジョン行ってたらお姉さん持ち帰りしてて朝チュンしてた件~スキル乳化の美肌ボディエステは女性冒険者を虜にする~
こちら二つもよろしければ拝読ください。
スライム道
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