第8話

「私は、Vtuberとしての仕事を終えた時にちょっと不摂生が過ぎちゃって。

 コロッと行っちゃった。」


 クリエイター系の人あるある。

 不摂生になるというか簡易的なゴミ屋敷の生成率が高いとされるのが納期までに終わらせなければ報酬が支払われないクリエイター系の職種。

 

 ライブ配信だけのVtuber活動を行っている人はそれでいいかもしれないが小悪魔アーモンドさんは自分でVを作り、しかも他の切り抜き系も作っていた。

 売れた分仕事も増えて、日常生活に手が回らなくなってしまったのだろう。

 急激な成長を遂げていたので事務所などを作る暇もなく。

 必然的に食生活などの日常生活を金で解決していき、ごみを捨てることすらままならなくなる。

 

 その手の悪循環が始まると病気にもなりがち。

 良くある独り暮らしの悪循環と同じ状況下になる前の段階で自体を収束するケースが多いんだけど、そこまで手が回らなくなってしまったか。


「でも、大好きな苦抹茶さんに会えてとっても嬉しいよ!」


 彼女の配信でも度々出ていたというか頻度が多くなっていたのでサブ垢としてジャックドーナツを作ったのに、どっちもバレているってどんな情報収集能力をしているのやら。


「バレないようにサブ垢にしてたのによくわかったね。」


「それは乙女の秘密の力ってことで。」


「元ファンだけど怖いなあ。」


「元ファンじゃなくて現ファンでしょ。」


「こちらに来てからはそういう生活とは無縁だったから。」


「じゃあ、ファンじゃなくて尊敬する人としてここに住まわせてもらってもいい?」


「仕事はしてもらいますがそれでよろしければ部屋も物置に使っているところを改装すれば、住まう分には問題ないでしょうから。

 そちらに住まわれる形でよろしいでしょうか。」


「固いよ硬い。

 もうちょっとさこれから一緒に住むんだよ。

 敬語はお仕事での言葉でしょう。

 プライベートなんだからきちんと公私混同は避けないと。」


 こればっかりは異世界に来てから敬語を使っておけばだいたい解決することが多いのでどうしてもこの手の言葉しか覚えてこなかったのが正しい。


「申し訳ございません。

 こればかりは生まれた頃からの癖でして中々抜けないものです。

 家族間でもこのような敬語を用いることが普通でしたのでどうかご容赦ください。」


「えっともしかして私みたいに召喚されたわけじゃないの?」


「ええ、質問形式にしたせいで抜けておりました。

 最初に説明すべきでしたね。

 私はこの世界に転生してきました。

 ですので元の世界の年齢からさらにこの年になるまで17年の歳月が経っているのです。

 アーモンドさんのことを覚えられていたのは本当に偶々です。

 私が生前最後に押していたVtuberがアーモンドさんだったから覚えられていたという具合でしょうか。」


「そこは嘘でも運命だと言ってほしかったなあ。

 でも転生かあ。

 未練とかなかった。

 やり残したこととか。

 会いたい人とか。」


「いましたよ。

 両親に恩返しできてないこともありますし、社会人に成ってからもつるんでくれる仲間のたちにも別れの言葉、お礼の言葉を言えていないことが何よりの未練ですかね。」


「私も両親には恩返ししたかったなあ。

 それにリスナーさんたちにこんな死に方したのだって、事務所が無いから動画編集に雇った人が気づかない限り私の死体放置されたままじゃないとか、未練でいっぱいだよ。」


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メイン小説

換金スキルとショップスキルでバグ技現代無双〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる~


酔っぱらってダンジョン行ってたらお姉さん持ち帰りしてて朝チュンしてた件~スキル乳化の美肌ボディエステは女性冒険者を虜にする~


こちら二つもよろしければ拝読ください。


スライム道

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