第7話

「ふふふ、こちらこそ私の生活を豊かにしてくれてありがとう。」


「どういたしまして?

 私もお礼言われちゃうと解らなくなっちゃうや。」


「そうでしたか。

 では何か軽食でもつまみながらお話をしますか。」


 ついでに今日は休業という使いも出している。

 今回は法国のせいで休まざる得なかったとね。

 法国と名乗っているのはレイブ法国と呼ばれる聖術を国術として使う国。

 

 ぐ~


「軽食に反応しちゃったかな。

 普通にご飯でも食べる?」


「......できればご飯を頂きたいです。」


「じゃあ、すぐに食べられてお腹に溜まるモノを用意するから待っててね。」


 彼女に食べながら話した方がよさそう。

 お腹の音が今にも破裂しそうなってる。

 顔を赤くしながらも周知に耐える彼女を見るのは中々そそるものがある。


 今は目一杯食べてもらいましょう。


 とは言っても喫茶店の注文は軽いモノが主だっている。

 ずっしりと重みのある食事の仕込みはしていないのでここは一から作ることとなる。

 簡単なモノといった手前仕込んであるモノを活用しつつ美味しいモノを作ろう。


 あれと、アレを使って。


「はいお待たせ。」


 持ってきたのはビーフシチューだ。

 喫茶店でだす料理の中で店内の花の香りを損なうことを良く思わない為、そこまでスパイスを使っていない。

 それでいて肉の香りも抑えられるように野菜中心に作っている。

 もちろんシチューだけでは味気が無いので軽く火で表面を焼いたコッペパンを持ってきている。


 そこはフランスパンじゃないのと思うのかもしれないが、コレには訳がある。


「いただきまーす。」


「召し上がれ。」


 好きな推しに自分の作ったモノを食べてもらえるのは嬉しいことだ。


「そういえば、召喚されてた時に聖術とか勇者とか言われていたんだけど、それってなんなの?」


「聖術は大まかにいうと魔術、以前の世界で言う霊感を持っていて尚且つ霊と同じ力を使える力の総称から派生して生まれた力。

 聖術に関してはそんなところ。

 勇者は儀式魔術を行った後の基点になる人かな。

 祈りとか日常的に使っている願いの魔術を一点集めることで生まれる依代体が勇者。

 大方その基点に使える条件を持った人。

 人を惹き付けやすい人を召喚する条件に絞って、その条件に該当したのがアーモンドさん、それもVの姿だったってことじゃないかな。

 本来の姿にコンプレックスを持っていなければ、こちらの世界に来るときにはその姿で来るように組まれた術式だったはずだけど。」


 この世界の人々は死んで未練を持つことが少ない。

 命に関しては軽い。

 そして、異世界召喚では異形の存在が少なからず現れる。

 この現地人たちは悪魔と呼んだり、神と呼んだりして一つの種族体系として成り立たせていた。

 元の世界で言う宗教の中に潜む道徳の悪魔を自身で再現していたりした人はそうなってしまったと文献には乗っていた。


「私は、ちょっと違うかな。」


「アーモンドさんは違うんだ。」


「これでもクラスで人気者だったんだ。

 オタクだったことは隠してたけど。

 でも私は、好きな人にすぐに気づいてもらえる姿でここに来たいって思ったんだよ。」


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メイン小説

換金スキルとショップスキルでバグ技現代無双〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる~


酔っぱらってダンジョン行ってたらお姉さん持ち帰りしてて朝チュンしてた件~スキル乳化の美肌ボディエステは女性冒険者を虜にする~


こちら二つもよろしければ拝読ください。


スライム道

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