第3話

 いつものように、お店の準備をしていると外が騒がしい。

 熊でも現れたのかと思い、We’re closed.としてある玄関に向かうとどんどんと叩かれる音が聞こえた。


「ごめん、私を匿ってくれる。」


 扉を開けると到底地毛とは思えない美しい七色に光る髪で悪魔の翼を持った女性が居た。


 彼女容姿は生前、推していた女性にそっくりだった。

 彼女は画面の向こうでしか会えなくて、まだチャンネル登録数が少ない時に出会った悪魔。

 いや俺にとっての天使のような人。


 リスナーが増えるにつれ、Vtuberとしてのコンテンツそのものの素材が良くなり、容姿も今のように変わっていった。

 最初はショートカットに金髪で悪魔の翼を添えるだけのV素材だったけど、髪の毛一本一本に線が入り始めて、彼女自身の声に評価が加えられていくたびに応援していて良かったと思ったものだ。


「来空魔アーモンドさん?」


「え?

 僕のこと知ってるの?

 でもリアルの方なのになんで?」


 リアルであったことは無いけど、その容姿は二次元から三次元に変わっても変わらない。

 俺の大好きな推し!


「ひとまず中へどうぞ。」


「う、うん。

 ありがと。」


 まさか自宅に推しを入れる日が来ようとは。

 オタクの中の禁忌を俺は今犯そうとしている。

 でも悔いはない。

 リアルに推しが居るんだぞ。

 もう一度言うリアルに二次元の推しが匿ってくれと部屋に入ってくれるなら世の他のリスナー君たちは入れないのか!


 あ、ちょっとたんま。

 部屋を片付けてから入れます。

 部屋が片付いてなかったら待ってもらいたくなるよね。

 今回は店で匿うけど、大方この土地に隣接するレイブ法国とやらが召喚陣を刻んだんだろうな。


 あそこには腕のいい魔方陣彫刻師が多数存在すると聞く。


「ひとまず、お茶を飲んで落ち着いて下さい。

 開店前なので大したものは出せませんが軽食もお出ししますので落ち着いてください。」


 一先ずお茶をたてる。

 心を落ち着けるのにはホットミルクもいいかもしれないと後に成ってから気付くが今は慣れたもので落ち着いてもらおう。

 紅茶を淹れたのちに、地下室から保存してあった氷を取り出してアイスティーを作る。

 

「はい、アイスティーでございます。」


 木製のストローを差したモーニングアイスティー。

 本来なら緑茶出すべきだったかもしれない。

 でも彼女はとても喉が渇いていたのかするすると飲んでくれていた。


「あ、ありがとうございます。」


「それと今の現状を把握するために鏡をお持ちしました。

 どうぞ今のお顔を拝見ください。」


「ブフォ、え、え、えええええ!!」


 ガシャン!


 紅茶を淹れていたガラスの器が割れた。


 この慌てようはやはりそうなんだろう。


「僕の顔が配信してる時のになってる。

 これ映像じゃない?

 どっきりじゃない?

 マジ門のマジ?」


「マジ門のマジです。

 ここは地球に似た環境を持つ星のようですよ。

 それ以外は私にもわかりません。

 ただ、日本ほど法整備がされていませんので危険はいっぱいですよ。」


「うん、急に言われても解らないから一旦一人にして落ち着かさせてくれる?」


「ええ存分にお悩み下さい。

 私は後片付けをしておりますので、後よろしければ私の自室でお待ちいただけますと幸いです。

 何もない部屋ですがその分落ち着けるかと。」


 コクリとアーモンドさんがうなづいてくれたので自室に促して割れたガラスの後片付けを行います。


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読者の皆様の感想。

レビューが作者の励みになります


一応ベタな展開っぽくVを登場させてみましたが、他にも人外系を中心に出していくかもしれない。

プロットは大まかにはできているんですけど、ぶっちゃっけいくらでも変更可能なので作者の気分次第で変わってしまうやもしれません。


また誤字脱字に関しましては一息ついてから確認いたしますのでご協力お願いします。

近況ノートに書いていただけると嬉しいです。


出来ればより多くの方にお読みいただき感想をいただきたいのでレビュー評価を入れてくれますとだいぶ助かります。


レビュー評価を星一個入れていただけるだけでも読んでいただける母数が増えますのでお願いいたします。


メイン小説

換金スキルとショップスキルでバグ技現代無双〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる~


酔っぱらってダンジョン行ってたらお姉さん持ち帰りしてて朝チュンしてた件~スキル乳化の美肌ボディエステは女性冒険者を虜にする~


こちら二つもよろしければ拝読ください。


スライム道

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