たった一輪のひまわり。

@pompom2

小さな恋の始まり。

枯れることのない、たった一輪のひまわり。

見つけてくれたのはあなたでした。




これは私が小学生だった頃のお話。


須藤 ひまり(すどう ひまり) 小学2年生。

人見知りだった私は中々新しいクラスに馴染めずにいた。

絵を描くのが好きだった私は、休み時間いつも机で絵を描いていた。

でも、そんな私にも心を許せる友達がいる。


「ひまり〜!おはよう♪今日は何描いてるの?」


スケッチブックを覗き込んで話しかけてきてくれたのは、小学校に入園して初めてできた友達。

斎藤 百合(さいとう ゆり)

気さくでふわふわなロングヘアが似合うとても可愛らしい女の子。


私「家を出る時に可愛い小鳥がいてね。思い出して描いてみた♪」

百合「ほんと上手〜!こんな風に描けたら図工の成績いつも◎なんだろうなぁ〜。羨ましい〜」


「これひよこ?須藤に似てるじゃん。ははっ!」


百合「大輝!なんてこと言うの!」



私の後ろから話しかけてきたのは、百合と同じく入園当初からの友達。

平井 大輝(ひらい だいき)

頭が良くスポーツ万能な女子の中でも人気な男の子。


私「ひよこじゃないよ!空飛べる鳥だもん!それに私ひよこになんて似てないし。」

大輝「須藤はちっちゃくてひよこそっくりだよ。大きくなったらニワトリになるかもな?ははっ!」

私「頭ポンポンしないで!ニワトリになんてなりません!!」


そう、私は身長が低く大輝は身長が高い。

だからいつもこんな風にからかわれる。


百合「ほんと2人は仲が良いよね。ずっと同じクラスだったりして〜♪」

私「百合とはずっと一緒が良いけどそれだけは勘弁して〜…。」

大輝「俺もひよこの成長はみたいけどずっと一緒なのはちょっとな…。ふふっ」

私「もう!まだ言ってる!」



こうやって3人でふざけている何気ない時間が私にとっては心落ち着く時であった。

新しいクラスにも徐々に馴染むことができ、友達も増えた。

いつも女の子としか話さない私だったけど

男の子とも話す機会が増えた。

優しく話してくれる子もいれば大輝のようにからかってくるお調子者もいた。


でもこの頃から、大輝が他の女の子と話してるのを見ると寂しくなる自分がいた。



そして2年生後半。

女の子のイベントバレンタインデーが近づいていた。


百合「ひまりはバレンタイン誰かにチョコあげるの?」

私「友チョコ?それならみんなにあげるよ!」

百合「それもそうなんだけど、好きな男の子とかいないの?鈴華はあげるって言ってたよ〜♪」


鈴華は同じクラスの、スポーツ万能でポニーテールがよく似合う女の子。

頭もとっても良く憧れの存在でもある。


私「鈴華好きな人いるんだ!私はまだ好きってよく分からないな〜…。」

鈴華「隣のクラスの山城くん!ほんとかっこよくてみてるだけで心がキュンとする!

手作りチョコもらってくれるかな〜♪」

私「きっともらってくれるよ!バレンタイン楽しみだね♪」



私は自分の席に座って考えた。

心がキュンとする。

まだ幼い私にはこの感情があまりよくわからなくて。

心当たりがあるとすると、大輝が他の子と楽しそうにしてると少し寂しくなる。

でもキュンとするわけではない。

この気持ちはなんなんだろうと考えたけど答えが出てこない…。


大輝「難しい顔して何考えてるの?俺のこと?」

私「!!。びっくりした〜。後ろからいきなり話しかけないでよ〜!」


心の中を見透かされた気がしてドキッとした。


大輝「だって俺の方見てたから。あれか!今日の給食なにかなって考えてたのか!須藤食いしん坊だな〜。」

私「給食のことなんて考えてないよ!その、私にも色々とお悩みが…。」

大輝「ひよこちゃんにお悩みなんてまったく無さそうだけど?大丈夫?」

私「もう!また頭ポンポンって!子供扱いしないでよ〜!」

大輝「ははっ!ごめんって。」

 


この時自分の机に戻ろうとする大輝をみて、もう戻るの?もっと話したいのに。

そう思う自分がいた。でも恥ずかしくてそんなこと言えるはずもなく、大輝の後ろ姿を見ていた。















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