第48話 検証

 ルーに見つかり、ゴブリンの忠誠心から危機に陥り、そこからなんとか窮地を脱したわけだけど、また勘違いされないように夕方にみんなにこの姿と名前で挨拶をしよう。まあ、それまではこの姿で何ができるのかの検証と参りましょう。

 まずは、この姿で『魔法書庫』を使ってみる。ついでに徒手としゅで戦えるようなこの世界の戦い方をいくつか調べて実践しよう。それでは『魔法書庫』を使用して…



「よし。書庫の中に着いたわけだけど、分化してると歩けるし声も出せるみたいだね。まあ一人で喋ってるのもなんか変だね。」

 ということでいつもの感じに落ち着くわけなのだがどうやら本を引き寄せるいつものムーブができない。手が無い木の特別仕様だったようだね。あと魔法書庫内の検証は何があるかな。そういえばここでは匂いがしないね。森だと匂いがしたけれどね。他に感覚のことだと歩いている感覚もあるし、歩いている音も聞こえる。何故匂いだけないのか。本の匂いしてもいいだろ。

 まあ、ここでの検証はこれくらいにして、武術の本を探していこう。

 まず目に入ったのは魔装術という武術。これは魔法を体に纏って身体能力を上げるというものだった。その中でも全身に纏わせ防御力も上げようとするバランス型の流派や体の一箇所に纏わせて切り替えを高速に行う攻撃的な流派があった。

 次に見つけたのは魔武具術というもの。これは魔法を武器の形に形成し戦うというもの。形成する武器の種類の数だけ流派があり、中にはただ魔力を振り回すだけというそれはもう武術ではなく普通の魔法なのではと思うものもあった。

 興味をそそられるようなものはこの二つしかなかった。この二つを夕方まで試していくことにしようかな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る