第29話 vsゴブリンキング

 ゴブリンキングと僕を抜いたみんなとの戦いが再開した。今は、ハル君たち狼が前衛で一点にヘイトが集中しないように引きながら戦っている。後衛にはナツ爺たち亀とアキ君たち狐が魔法で相手の動きを牽制しながら確実にダメージを蓄積させてる。フユ君たち木人は遊撃として周りによってくるゴブリンを倒しながら後衛に攻撃しようとしたゴブリンキングを攻撃して近づけないようにしていたらしいけど、周りのゴブリンは僕が倒して、彼らにはゴブリンキングに集中してもらっている。

「大きなのがくるぞ!避けろ!」

 ハル君の指示が良い感じに働いていて未だ危ないことこそはなかったが、攻め切れておらず長引いている。

 キングゴブリンは、大きな攻撃は当たらないと判断して小さい攻撃に切り替えた。

 恐らく、ハルたちの狙いはこれだったのだろう。背後からの攻撃で畳み掛けていった。

 しかし、ゴブリンキングの運動能力は凄まじく、とてつもない振り向き速度で何名かがダメージを受けてしまい、戦線から離脱することになってしまった。

「奴の運動能力は予想をも超えるものでしたわ。ですが、ここで勝つのは私たちですわ。」

 アキくんが闘志を燃やしている。それに伴って、彼女の火魔法の威力がどんどん高くなり、ゴブリンキングが彼女のもとに急接近した。

「きゃっ。」

〈アキくん大丈夫?

「ごめん。もう戦闘に参加できなさそう。」

〈みんな。ごめん。日が沈んでもうじき何も見えなくなってしまうから、僕も戦闘に参加させてもらう。

「…最善は尽くした。しょうがない。」

「儂もまだまだ鍛錬が足りんかったの。メグル殿、頼んだ。」

「俺らで倒し切れなかったのは悔しいが、頼むぜ。」

「私からも頼むわ。」

〈よし、みんなの力も借りて短期決着させるよ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る