異世界にて魔装少女を!
キュータロー
プロローグ
「オーマイガー…!」
その日…、5歳の誕生日を迎える事となったとある1人の男の子に晴天の霹靂のような出来事が起きてしまった。
頭を打つわけでも、高熱によるものでも、昏睡状態から回復して記憶を思い出す訳でも無く。
ただただ自分の顔サイズもあるどこかのボンボンが舐めていそうなぺろぺろキャンディーを舐めている最中にそれは起こったのだ。
「私は…、いや僕は転生してしまったのか…?」
自分が30代の日本男児であったこと、アイドルプロデューサーをやってたは良いが、働き過ぎによる過労によってそのまま階段から落ちて死亡した事実を…。
「なんてことだ…。彼らはこれからだったというのに…」
思い出すのはこれからプロデュースする筈だった新人アイドル達。自ら各地を周り、輝ける原石をかき集め、世界へと進出できるのではと確信していたのだがそれももう叶うまい…。
「あまり落ち込んでいても仕方がない…。死んでしまったのはもう覆られないのだから今後のことを考えるのが先決か…」
思考を切り替えて、転生した少年の記憶を探り始める。
自分の名前。
この世界。
今がどんな状況にあるのか…。
5歳となったばかりのこの世界の自分にはそういった知識はあまり存在していないが、それでも今の自分にとっては割と衝撃的な…。前世にはなかったモノがこの世界にあると分かってしまった。
「この世界には魔法が存在しているのか…!!」
魔法。
前世では空想の産物にして様々なコンテツで少年少女、代の大人でさえ憧れたモノ…。かく言う自分もそんな夢物語に引かれた1人でもあった…。
そんな魔法がこの世界には存在しているのだ。
「しかも人類の敵と呼ばれる存在まで出現しているとなると…。これはもしかしたらもしかするのではないか…!?」
思い出すのは前世の少年時代。
たまたま変えたチャンネルで、偶然にも目にしたとあるアニメの影響で夢見た光景…。
実現できないと言うのも分かっていた馬鹿げた夢。
だからこそプロデューサーと言う職業に着いたのだが、まさかこんな事になって夢の実行が可能になるとは…。神に感謝する他ないだろう。
そうしてニヤついていた口元を隠すようにしていた手を離し、僕は決意したような表情を浮かべて高らかに宣言したのだ。
「この世界を救う魔法少女を育成するぞ!!」
こうして転生した僕の物語のプロローグが開幕したのだ。
異世界にて魔装少女を! キュータロー @kyuhisa
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