第3章:見えてきたもの5
「つ、疲れた…… 」
夕方。もうまもなく夜になりそうな頃。シグマ達はようやく、ベアトリウスでの再調査を終えた。
「でも、大火事事件の事はベアトリウスでも有名だったのは収穫ね。中には同情してくれている人もいたわ」
ベアトリウスでの反応は今までで一番良かった。大火事事件の事を知る人がいた事や、可哀そうと思ってくれた人もいた。これはシグマにとって、ベアトリウスにはどういう人がいるのかを知り見極める重要な事だった。
「うん。といっても、調査がこっちにも及んでどうなるのか、という方が強かったみたいだけどね」
「そりゃあ、あの事件が起きた後すぐに国が避難誘導と同時に総力を挙げて捜査したのに、犯人像がそもそも不明でまんまと逃げられたんやぞ。シグマ達と会話しただけでも、屈辱だとは思っている事が伝わってくるのに、こっちに来ないと思っている方が少ないやろ」
「もし犯人がベアトリウス人だったら、責任がこっちに向くんだから当然よ。あたしの幼児化の件も同じだけど、あたし達は犯人ノーシュ人説はまあ違うでしょうと判断して動いているけど、あんた達は違うからね」
言われたらどう思うのか。逆の立場になって考えろとはよく言われるが、シグマにとってはベアトリウスの価値観がそもそもまだよく理解できていないだろう、シグマはマルクとアリアに言われたが、よくわからない感じで言葉を受け止めていた。
「大火事事件と分かりやすく言ってはいるけど、あれはテロよ。犯人はノーシュに恨みを持っている人間の犯行。前回の調査ではベアトリウスに亡命済だろうとランドルフ騎士団長は言ってるわ」
「流石に怪しい人物まではわからなかったが、前よりは良い情報だっただろう?」
「はい……」
自分達の目的は犯人を見つけ捕まえる事。そのための情報を集める事である。どこかに行く、誰かに話しかける等といった行動は、基本ではあるが重要じゃない。何か違うと感じたら大胆にやり方を変える事も時には必要だ。
「お前達も城にいる人間は調査した方が良いぞ。あいつらだけ調べられないなんてありえないからな。ノーシュもそこら辺は厳しかったはずだ」
「そろそろ宿屋に行きませんか?流石に腹が減りました。」
「そうディスね。行きましょう」
「お嬢様」
「うん……」
徒歩。歩きながら。
「あ、あの……なんでファルペさんはそんなにアリアさんを守ろうとしているんですか?」
「あ~……。色々理由はあるんですが、アリアお嬢様は割と勝気な性格なので、同胞であるベアトリウス人と喧嘩しやすいんですよ。また、その喧嘩による身バレを恐れています。金だけはあるので、余計な虫はくっつけたくないので」
「そ、そうなんですか……」
「わいからしてみれば、お前らがその虫ちゃうんかいと。よく信用されたな」
「言いたい事はわかりますが、私達はその辺しっかりしているのでご心配なく。給料を上げる要求などもしていません」
「アリアのお嬢はレバニアル設立時子供ですから、その時に搾取されないか心配だったんディスよ。それはアリアのお嬢も警戒していた事ディス。単純に、自分の幼児化を治せる人を集めなきゃいけないので、本当に治そうとしているのかが重要なポイントで、効き目のない物を勧める人は排除しやすかっただけディスが」
「確かに、アリアさんの心境的に心に余裕はないだろうし、必死になって人に話しかけたんだろうなって事はわかるよ」
「わかってくれた?あたしの苦労」
アリアは現在29歳である。それを忘れてはいけない。
「……まぁ、だからあんたも頑張るのよ。せっかく協力してるんだから」
「ありがとうございます」
「(レバニアルの人達はこのまま良い人だと良いな……)」
メイはまだ、完全には信用しきれていなかった。
一方その頃。再調査中、ベアトリウス城では。
「おい、列車の件、いったいどういう事なんだ!」
「どういう事って、例えば?」
「ノーシュと作業を進めていた事だ!何者かに破壊され、中止になっていたぞ!」
「あれか……」
マキナは同僚の軍人達に列車の件を聞きまわっていた。といっても、全員謁見の間にいるのだが。
「その様子……尋常じゃないようだが、何かあったのか?」
現国王ギウルが話しかける。
「……ノーシュの騎士が一緒にいてな。そいつらと問題を共有しなくちゃならなかった」
「ほう?」
「その時にランドルフという騎士団長から、スケジュールをもらった。我々の物が無くなっていたからだ。」
「(ランドルフ?その名前……どこかで聞いた事があるような……。ああそうだ。
「このスケジュール表には、列車に関する今までの事、これからの事が全て書かれてある。なぜあの国境沿いに見張りをつけておかなったんだ!」
「見張り?見張りなら確か……。」
誰だったっけと皆が記憶から探り当てる。
「——ああ、すいません。あそこは私の部下の役目だったはずですね」
「ゼルガ……お前!」
そして、犯人が見つかった。
「やだなぁ、私は別に変な事していませんよ。ただ部下が退屈そうにしていたから面白そうな仕事に変えただけで」
「見張りが退屈だと?お前……国境沿いだって事わかっているのか!?」
このゼルガという男は、つい最近入ってきた。自分が働いてもうすぐ十年になろうとしている。なのに、怪しい行動をちょくちょくするのであまり信用をしていなかった。
「あの列車の事は私も一度スケジュールを見た事がありますが、見なくちゃいけないのはベアトリウスの商人だけなんですよ。責任だけ我々に押し付けられてるんです。商人達から報酬を支払われるわけじゃないので、形だけ見張りしているていでサボっている人もいました。つまり、見張りしている意味がなかったんです」
しかし、今回ばかりはきちんと内容を把握していたようだった。
「ですから、結果として被害が出てしまったのはまずいですが、だからって見張りに集中するために部下を専属させるか、と言われると他に優先するべき仕事がありますよね。だからそんな無意味な事はしなくていい、とは言いましたよ」
「っち……。お前と違って、私は部下をイエスマンで固めてはいないんだよ……」
マキナは頭をかきながら話を終わらせた。
「それはすいませんでした、私の跡片付けをしてくれてありがとうございます」
「マキナの言いたかった事はそれだけかしら?」
「ネール……。いや、違う。列車のせいでノーシュの騎士の事が気になってな。お前達、何か知っている事はないか?私は今のノーシュが知りたいんだ」
「今のノーシュですか……。…………そういえば、何年か前ノーシュで大規模な大火事事件が起きていませんでしたか?」
「レオネスク大火事事件の事か……」
ベアトリウスの王子、ジェイドの一言に皆が耳を傾ける。
「それは私も知っている。うちにまで調査が及ばなかった不思議な事件だ」
「ふっ、ならばその再調査をしているという事じゃないか」
「今になって?なぜだ?」
「それはわからん。だが辻褄は合うだろ。お前はノーシュの騎士達と会ったんだから」
「その騎士になら俺も修行していた時にちらっと見かけたぜ。マキナと出会った奴と同じかどうかはわからないけどな」
「なに?エドガーもか?」
「ただし、マキナと違って話しかけてはいないけどな。見かけただけだ。けどまあ、人々の悩みを解決してまわってたし騎士で間違いないだろ」
「なぜもっと早く言わなかった?俺もその近くにいたんだぞ」
「別に話すものでもないじゃないですか、ベリアル師匠。ちらっと見ただけで、調査しているなんて思わなかったし」
「むう……」
ゼルガ、ネール、エドガー、ベリアル。この四名が、マキナの同僚の軍人である。もう一人いたが辞めてしまった。
「国境沿いで出会ったのなら、この城がある首都にまで来る可能性は十分にあるわね。どうした方が良いかしら? 」
このネールという女性は、いかにも妖艶という言葉が似合いそうな服を着ている。
「好きにしてくださいよ。あの事件に関しては人道的に協力しなくちゃいけない部分もあるでしょう」
「少なくとも、怪しい人物を捜しに来た事は間違いない。うちの国にも、何人か怪しい奴がいるからな」
「はて、誰の事でしょうね?」
「「「(お前だよ……)」」」
「ハハハ、相変わらずアウェーですねぇ……」
このゼルガという男、こんな風にとり作っているが、確信犯である。怪しい行動をとっているのは皆知っている。
「再調査をしているかどうかは私が直接会って確かめる。近くにいるかもしれないなら好都合だ。だからお前達もきちんと仕事をしてくれ。面倒事はこりごりだ」
「言われなくてもそのつもりだ」
「どうやら色々と動きそうですね。あなた達だけで終わるといいのですが……」
ジェイドはこの件に関して静かに見守るつもりだ。
「おい、自分達は被害が及ばないとは思わない方が良いぜ、ジェイド王子。俺達は既に当事者だ。俺や大火事事件の奴みたいに、誰かの被害者になっている人間は多くいる。そいつらに全ての責任を問われて、殺されたくはないだろ?」
「私は父上と違って、好戦的じゃないだけですよ。回避できる戦いは回避したい」
「帝国だというのに、我が国は人材枯渇だ。昔みたいに戦いたくても戦えなくなってしまった。全く嘆かわしい話だ」
「そのせいで、金しか興味がない商売人に配慮して、経済を発展させなくちゃならなくなったんだから自業自得よ。結果として、不幸になっている人は昔よりも少なくなっている点は評価しないと」
ネールが今が大事だとギウルを励ます。
「ふんっ、その自業自得の殆どは隣にいるこの老いぼれ親父のせいだって事を忘れるなよ」
「……」
「(全く……生きているかどうかわからない奴め。もう寿命は近いな……)」
今のベアトリウスは他国では珍しい三世代の王族がいる時代である。といっても、一番上は余生を楽しむのみで、当時の威厳は殆どない。顔だけならただのやせ細った老人だ。全盛期好き勝手したのだから当然と言えばそうだが。
「とにかく、ベアトリウスの負の歴史だけは出すな。ノーシュだけじゃなく、他国に汚点がばれるなど、恥ずかしいだけだ」
「言われなくても」
ウーザンと孫にしてギウルの息子、ジェイドはマキナの言葉に静かに頷いた。
「……こういう事をあまり口に出したくはないが、私のような愛国者を亡命したくなるような事だけはしないでくれよ」
そう言って、マキナが皆を後にして仕事に戻った。
「……ふっ、マキナが真面目で本当助かるな」
「おんぶにだっこなだけでしょ。こんな国だからアイカが引退する事になるのよ」
ベリアルとネールの会話。アイカとはマキナとネールの同期だった女性の事である。今は退職して自由気ままに生活しているらしい。そのやめた理由が今の国では働き甲斐がないから、というものだ。いかに今のベアトリウスが落ちぶれているのがわかるだろう。
「全てはなるようにしかならないが、私はどのような結果になろうと歓迎するぞ。政治というのはこういうものなのだから」
「(……) 」
ジェイドは自分が王の座を引き継いだ時にどう国を動かしていくか、いつものように必死に考えこんでいた。
----------------------------------------
「ルーカス~。洗濯終わったわよ~」
「ああ、ありがとう」
夢の記憶。
「へへっ」
「っと……。どうした、急に抱き着いたりして」
「べっつに~?意味なんてないよ。ただなんとなく抱き着きたかっただけ」
「そうか……」
いつものように思い出す。あの楽しかった日々を。かけがえのない日常を。
「……ねえ、あたし達ずっと一緒だよね?」
「もちろん」 」
「今はさ。こうして一緒にいる時間を楽しみたいけど……。いつかは一緒に住んで結婚して……。その……こ、子供……産みたいなって……思うんだ……」
「——ああ、誰似か楽しみだよな」
出会って、仲良くなって、そのまま……。よくあるカップルに過ぎなかった。だからこそ楽しかった。
「ふふっ、どっちでもめちゃくちゃ愛するもんね~」
「ああ、俺達は婚約者。絶対に別れたりするもんか」
しかし。この思い出が、最後だった。
「はあ……はあ……。おい、サユリがどこにいったか知ってるか!?」
「いや、知らない。サユリがどうかしたのか?」
「いないんだよ!、3日前から!」
「なんだと!?」
俺はパニックになった。あんなに近くにいたのに急に消えたのだから。変な事はしてない、果物を取りに行くと近くの森に行ったのを見守っただけだ。そこで怪しい噂も聞かない。何かを気を付けるわけがない。
「どこかに行くと置き手紙があったわけでもない……急に行方不明になるなどありえない、何かあったんだろうが、どこに連れていかれた……!」
「お、俺も探してみる!」
「ああ、よろしく頼む!」
三日。それは、この時の俺にとってはすごく長い時間だった。一人では一日後にすぐに探した。森を重点的に探した。それでも見つからない。行方不明として捜索するのはまだ早いかと思ったが、急にいなくなること自体がおかしいのですぐに要請した。これが神の理不尽じゃなかったら一体何なんだ……。
「くそっ……くそっくそっくそ!」
「!サユ……リ?」
そして、数日後。
「おい、サユリ!しっかりしろ!目を開けてくれ!」
「……」
「サユリいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
サユリはある日突然亡くなった。
ーー-------------------------------
夜。宿にて。
「(自分で見つけたのは不幸中の幸いだったのか、埋葬はすぐにできた)」」
ルーカスは一人、レバニアルに入った原因を思い返していた。
「(こんな……こんな理不尽、受け入れられるか!絶対に犯人を見つけ出す!)」
といっても、思い返すのはいつもである。
「(……あれから3年、か。レバニアルへの加入も俺が5人目で遅かったが、今ではシグマ達大火事事件組も加わり人が増えた。ここで一気にあらゆる人間を調べて、犯人を見つけて仇を取る!あんな殺人事件の犯人が自殺しているわけがない!)」
シグマのように、話を聞いて回ると言った事はした。しかし、死体だけ放置するように、姿や痕跡をそもそも見せていないのだ。これのせいで国も同情はしてくれても、真剣には探してはくれない。それでも全国各地で探し回ったが見つからず。だからレバニアルに入ったのだが、ひょんな事から(主にシグマ達ノーシュ組と出会ったから)城に入るきっかけが出来た。今ここで全て聞き出さなかったらなんなのか。
「サユリ、見ていてくれ……。絶対に犯人を見つけ出して見せる」
「皆さんおはようございます~」
朝。イリーナのぽわぽわとした声が響き渡る。
「おはよう~」
皆既に、準備はできていた。昨日は皆ゆっくり眠れたようだ。
「で、どうするんや。城に行って話を聞くんやろ?」
「そうだけど、今幼児化の件とどっちを優先するか話し合ってる所だよ」
イリーナと、その数分前に来たばかりのマルク(現在食事中)はまだ状況をつかめていない。
「別にどっちでもいいディスよ。ただ、私達は隠れていた方が良い人間なので、そういう意味では怪しまれてはまずい。大火事事件組が先で良いんじゃないディスか。あなた達は私達と違って多少は同情してくれるはずディスから」
「……それでいいのね?あなた達は」
シグマ達はベアトリウスの事は当たり前だがベアトリウス人の方が詳しいのでそっちが先でいいんじゃないかと思っていた。
「ただの順番ですからね、そこまで気にする事でもありませんよ」
メイの言葉を聞いて、ファルペがフォローを入れた。
「よし、そうと決まれば早速城に—―」
「た、大変です!この町の住民が急に多数行方不明になったという情報が先程多数報告されています!」
「なんだと!?」
皆兵士の方を向く。たった一日寝て起きたら事件が起きていた。
「(……ついに犯人が動き出したのか?)」
この事に一番の反応を見せたのは、当然ルーカス。恋人サユリと状況が似ているからだ。
「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ! 昨日の今日すぎます!なぜサンバニラみたいに何かが無くなるんですか!」
「あなたの事情は分かりませんが、寝ていた人達が朝起きたら見かけないんですから、気づいたらすぐに行方不明になったって騒ぐでしょう!」
「流石にすぐには信じられないわ、多数人を一気に消し去るなんてありえないわよ……」
「こ、怖いよ……」
「よしよし、大丈夫ですよマイニィちゃん」
シグマの反応は当然である。しかし、これが大火事事件につながるかと言えば、そうじゃない。証拠もないし、これが日常的じゃないとしても犯人の目的が何なのか。わからないのだ。外では住民が既に騒いでいる事だろう、うっすらとだが声が聞こえ始めてきた。
「……まるで大火事事件みたいやな。やるだけやって犯人はいないわ、被害は多数だわで」
「じゃあ、僕達の大火事事件の犯人が!?」
とっさにシグマが言う。癖のようなものだ。とにかく徹底的に調べ上げるつもりでいるし、そう言われているのだから。
「行方不明ってテロがやる事ディスか?テロリストなら人質に取るでしょう、わざわざ騒ぎ立てる必要がありまセン」
「ああ、用意周到だという点は共通しているが、人をピンポイントで誘拐するなど、ベアトリウスを良く知っている奴ではないと無理だ」
「ベアトリウスを良く知っている奴って……」
言われて皆がはっとする。
「「「「ベアトリウスの軍人!」」」」
「くっくっく、向こうからやってくるなんてラッキーだ。アリアの幼児化の件と俺のサユリの件もこのタイミングで一緒に捜査させてもらうぞ!」
「ごめんね、大火事事件組の皆。こんな絶好なチャンス、逃すわけにはいかないの」
「僕達の事は大丈夫ですよ。人助けは騎士の使命ですから!」
「ええ、徹底的に調べ上げてやりましょう!」
気をつけろと言われた事が起きたのだ、やってやろうじゃないか。シグマもメイも、まさか向こうから来てくれるとは思わなかったので思わずうきうきしてしまう。
「わくわくしていないわけじゃないが、わいはまだ状況が呑み込めへん。寝て起きたら誘拐事件起きてるってなんやねん、出来すぎやろ」
「それはまぁ、わかるわ」
マルクにこう言われて、アリアが冷静に頷く。
「まあ、起きた以上は受け入れるしかないんやが。しかし、犯人が大火事事件と幼児化とも関係ないただの身代金要求犯だという可能性はある。なのによくそんなテンション上げられるなと思うで」
「マルクさんって情報屋なくせに慎重ディスよね」
「こういう時だからこそ慎重になるんや。わいはあんたらと違って追いかけなきゃいけない立場じゃあらへん。情報屋はあくまで提供する身や、危険な所に用心せずに行くわけないやろ」
何かが起きた時それに対してどう思いどう対処するか。それが情報屋が一番最初にやる仕事だ。変な事が起きたらすぐに変だと言わないと、厳しい所では首になる。そういう意味では、洗脳された話を聞くのは辛い。話を分解しないといけないからだ。
「とにかく外に出ましょう。城の軍人達がこの事を既に知っているかどうかでも捜査の仕方が変わってきます、今のうちに出会う覚悟を」
「出会う覚悟……」
「このまま城に向かえ、シグマその方が手っ取り早い」
「そうですね、そうします」
「準備は良い?いくわよ」
まずは国が把握しているかどうか、どう対処するかを聞かなくてはならない。なのですぐに、城に向かう事にした。皆が朝食を食べ終ってすぐだ。マルクが受付にこれでええかとお金を急いで渡す。皆が外に出て行ったのを目でちらっと忘れずに確認して、自分も数秒後出た。
シグマ達がベアトリウスの軍人に話したい事は三つ。
大火事事件と、アリアの幼児化と、サユリの殺人だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます