第5話烏

「カァー!カァー!。」


烏の鳴き声だ。


どうも最近、烏が多い。


私が住む家は、木造アパート2階の一番奥の部屋。


私の部屋の周りだけ、やたらと烏が近寄ってくる。


「ゴミを置いているわけでもないし、なんなんだろう。」


烏をよく観察して見ると、どうやら私の部屋に入って来ようとしているみたいだ。


興味本意で私は部屋のドアを開けっぱなしにし、烏を入れてみることにした。


「カァー!カァー!」大量のカラスが一度に入ってきた。


数にして15羽ほどだろうか。


その烏たちが、部屋の押し入れに向かって鳴いている。


私は押し入れを勢いよく開けた。


ドサ!


鈍い音とともに 腐敗した死体が出てきた。

悪臭が鼻を刺す。


「なんだ、これか。やっぱりゴミはちゃんと捨てなきゃダメだな。」


私は鳴きわめく烏を追い払って、腐敗した死体の解体作業に移るのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る