第6話ラブレター

下駄箱にこんな手紙が入っていた。


「あなたのことが好きです。


話したことはないけれど、優しそうな雰囲気、明るい笑顔をいつも遠くで見ていました。


あなたの声が好きです。


あなたの容姿が好きです。


あなたの笑顔が好きです。


付き合って下さい。


今日の放課後、体育館裏で待ってます。


返事聞かせて下さい。」


それは激しく情熱的な手紙だった。


正直、情熱的過ぎて引いてしまうくらいだったが、そこは男子高校生。


好きと言われれば気にもなってしまう。


からかわれているのではと思いもしたが、どんな子か気になり放課後に行ってみることにした。


放課後になり、速攻で体育館裏に向かう。


体育館裏、そこはひと気がなくひっそりとしている。


「早く来すぎたかな...。」


「あの!。」


後ろから声をかけられた。


振り向くとそこには女子生徒が一人。


見たことない顔の子...。


いや、何か違和感を感じる。


そう、その顔はよく知っている顔だった。


自分自身の顔だ。


顔は自分。背は同じくらい。


しかし髪が長いのと、胸が膨らんでいる。


まるで自分自身を女にしたような感じだ。


私は一目散に逃げ出した。


「返事聞かせてよ!!。」


自分の女バージョンが狂ったように叫んでいる。


私はラブレターを破り捨て、校舎を後にした。










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