第52話 介入
モーテ「それじゃあ6年前には行けなかった帝国に行くか…ていうわけだから凍っててね、
竜の
必要最低限の荷物を
城にほぼ引き篭もっていた6年間を取り戻す意味でも人間世界の情勢等を知っておきたい。そういう意味でも大国である帝国は適している。
だが6年間の情勢はそこまで大きなものはなかった。3帝は一応新しく就任したらしいが。そんなことより気になる情報は今についての情勢。
「なんか最近南の方が騒がしいらしいぞ」
「またデューエ?」
「いや、ノナイウとインジオ」
「あら、とうとう?仲悪いもんな…」
「ノナイウと仲良い国ないだろ」
ノナイウとインジオ?なんで?
流石にこれは気になる。というより無視できない。目的がつかめない。
6年あったとはいえまだカラムの方が国力は弱いはずだ。(俺のせい)
隣り合ってるからか?それとも…
モーテ「北上する気か?」
だとしたらだいぶしっかり準備をしたのだろう…
準備…
モーテ「もうちょっと帝国を見て回りたかったし3帝がどんなものかも見たかったけど…ノナイウとインジオに行くか」
優先順位としてはそっちの方が上だ。
ということで南下。そして…
モーテ「お~…思ったより死の匂い。これは戦争か?」
まだ現場にいないのに感じる。騒がしいなんてものじゃない。
モーテ「
ただの移動のためだが魔法まで使った。
モーテ「
見えた。これは…これは?
1人の女性がとてつもない速さで軍を蹴散らしていく。斬り進む。インジオ国の兵士か?かなり強い。
だが…そことは少し離れた方はさらに異質。インジオ国の兵士がまとめて上の空。殺されようとしているのに抵抗しない。さらに…
モーテ「たこ?」
タコみたいなやつがいる。ふざけた見た目だが…驚異的な強さだ。
モーテ「混ざってる人、俺と同じくらいか?子供だ」
大人ベースじゃないのか。しかもタコだけじゃない。
亀?も混ざっている。
ダル「ロメ!向こうがやばい!援護に行かなきゃ!」
ロメ「わかった!」
ダル「負傷者は下がって!隊に欠員が出てない隊はここで追撃!出た隊は向こうの援護に回る!移動中に再編成する!」
テキパキと指示が飛ぶ。ここで決まるな。インジオ国の最高戦力があの女性剣士と指示を出してる男だろう。一方のノナイウはあの
ダル「
インジオ国の兵士側に不思議な声が響いた。その瞬間、兵士の動きが早くなる。
モーテ「バフの魔法を声に乗せれるのか!?」
バフの魔法自体あまり使われる機会は多くない。他の人間からのバフよりは自分で強化した方が動きと思考のずれがないからだ。だがあの方法なら十分な価値がある。
まああの魔力が乗る声質の人間しか使えないから他の人は真似できないだろうが。
ロメ「いくよ」
やっぱあの女性剣士は良い腕してる。
と思ったのだが…
ロメ「うっ…」
ダル「ロメ!?…起きろ!」
ロメ「はっ!?」
一気に後ずさる。ギリギリだったな。
ロメ「なに?なんか急にボーっと…」
ダル「…大丈夫か?」
ロメ「わかんない。ちょっと踏み込みづらい。総員止まれ!」
流石に兵を止めたか。だが俺はさっきの一連の流れでインジオの兵が呆けていた原因は突き止めた。
モーテ「
タコの方が印象的なせいで全然気づかなかった。だが恐ろしいのはそこじゃない。
あいつが原因なのは分かるが…理屈が分からない。
ロメ「
遠距離攻撃に切り替える。でもその程度ではタコの
孔雀「来ないなら…こっちから」
孔雀の
タコ+亀「ナイス…」
意思疎通もできるのか…これは流石に勝負あったか?
ダル「お・き・ろ!!」
ロメ「っ!」
おっ捌いた。正気に戻ってすぐに対応したのか。そして…1人だけ上の空にならなかったんだな。
ロメ「ありがとう。また助けられた」
ダル「大丈夫?退いた方が良いかな?タネが分からないし」
ロメ「そうしたいけど…」
ダル「だよね」
ロメ「私が突っ込むからさ…任せていい?」
ダル「はいはい…」
女性剣士の方が突撃…またさっきみたいになったら…すぐさま起こしてもらうってことか?随分な信頼だな…
――プーゴ「家族や親友や国民全員を守るために戦う必要がある。そのためには我々は敵から逃げれない、倒さなければならない」
――アンジ「倒す。帰りを待つ人がいる。無様な姿では帰れない!」
ちっ変なこと思い出した…
そんなことしてるうちに女性剣士が進む。
ダル「いけ…
バフも乗っていよいよタコと亀の
モーテ「気が変わった。黒百合」
割り込んで黒百合で2人とも弾き返した。
モーテ「さて…色々聞きたいな」
――あとがき――
月日が経ったのもあってモーテに風格が出てきてる気もする。
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