第42話 ノナイウ
「失敗作か?処分しておけ」
ノナイウ国のある研究所にて。
「難しいな、
「そうですね…まあ囚人はいっぱいいますし、足りなくなったら軍の兵士を借りても問題ないですよ」
「だな」
行われる非人道的実験。それはここだけではない。
とある会議にて…
ジェン「なんですかこの死者数…!なんでデューエ国にこんなに兵を割いたんですか!?帝国に次ぐ大国ですよ!?」
「そういう作戦だったんだ。仕方ないだろう。私も心が痛い」
(4割くらいは魔力増幅実験の犠牲だけど)
ジェン「また何か隠してるんじゃないですよね?」
「そんなことはない」
ジェン「本当ですね?もうこんな命を捨てるような作戦たてないでください」
「幼馴染?のことを忘れたのか?」
ジェン「~~~~~!!!!!」
ジェンが青筋を立てる。
「わかったならごちゃごちゃ言うな。他言するなよ」
ジェン「ふざけてる…」
「ふん」
ジェン「いつか…あなたたちの悪行は晒して見せる」
そう言い残しジェンが会議室から出ていった。
「ふう…邪魔だな…」
ジェンにはノナイウの闇の部分、人体実験や国民からの酷い搾取などの一部がばれてしまった…全容は知らないだろうが綺麗ごとをのたまうやつだ。すでに反抗的だが幼馴染を人質に取っている。だが…いずれ敵となるだろう…
ノナイウの上層部がジェンを煙たく思う中ある書類が目に映った。
『カステの崩壊と帝国3帝の全滅について』
これはめちゃくちゃ驚いた。帝国に攻め入ろうかとも思ったほど。だが帝国は大国である。3帝がずば抜けているだけで兵の数も設備も整っている。無理に攻めることは出来ない。裏の目的があれば全然別だが。
だが今回は3帝がいなくなった事実よりその経緯の方が面白かった。
調査という名目でカステにジェンを向かわせる…3帝ですらダメなら無理だろう。
真っ当な理由でジェンを始末、厄介払いができる。情報操作して、カステの崩壊と3帝については結び付けなければ疑われないだろう。
という上層部の真っ暗な思惑がありジェンにカステの調査命令が下された。
ジェン「これは…」
カステに入ったジェンの部隊は唖然としていた。国の首都とは思えない静かさ。そして匂い。腐臭がする。さらには一際目立つ城。その周りには激しい戦闘跡があった。
ジェン「なんだこの戦闘跡…あまりに広範囲すぎる…こんなことになるか?どうやったら?俺が戦ってこうなるか?いや…ならない。規格外すぎる」
ジェンは戦闘跡を見ただけで格の違いを察した。それと同時にカステに何があったかの調査の緊急性を危険性を認識した。
ジェン「2人程、すぐにノナイウに帰って報告しろ。半径数百メートルを吹き飛ぶほどの力を持った何かによるものだと」
すぐに人員を割くのは勇気がいるがジェンはすぐ判断した。というのももしこれを残したのが人なら勝てる気がしなかったからだ。
部下「ジェン少将!」
ジェン「どうだ?」
部下「ダメです、生き残ってる人は見当たりません。死体しか転がってません」
ジェン「…なんて残虐な」
仮に首都を落としたいなら軍を落として主要箇所、政府のいる場所等を制圧すればいいだけだ。わざわざ市民まで手にかけていることにジェンは吐き気を催した。
他の部下も周囲を確認してきたので報告を聞くも変わらない。生き残りはいない。死者多数とだけだ。だが1人の部下がとんでもないものを見つけた。
部下「これ…なんですけど。死体を見ても明らかに…」
ジェン「強いな…って言うか…プーゴ大将か?おれが子供の頃から名が知れてた人だよ」
実際は生まれる前から名は轟いている。
ジェン「…心臓部分に強烈な一撃。これが死因だなあ。知りたくなかった」
部下「どういうことです?」
ジェン「さっきの大規模な跡、それとこの1点集中攻撃。その他の剣で斬られたとみられる人達。明らかにカステが滅んだ原因は人間だね。超技術の兵器の暴発って言われた方がまだましだったかも。1人報告に帰りな。残りは…あの城に行こう」
遂に、モーテの城に踏み込む。
しかしジェンは気乗りしなかった。
ジェン(嫌な予感がする…あの城に踏み込むことが怖い。でも…)
このカステの惨状を思い返す。
ジェン(他国とはいえ…これは流石に容認できない。こんな非人道的なことをする人を放っておくわけにはいかない)
その強い気持ちは…すぐに折れる。
モーテ「少し来客が減ったと思ってたんだけどね」
城の敷地内に入って、瞬く間に部下が死んでいった。守ろうとすることすらできなかった。それどころか…怖くて動きが竦んだ。なんだこいつは?
モーテ「でも…前みたいに強敵ではなさそうで助かるよ。魂補充にもなるし」
子供…か?身に纏うオーラが…邪悪を通り越して死のオーラになっている。うちの国の上層部の腹黒さが可愛く見えてくる。
ジェン「お前が…カステを?」
モーテ「それ聞いてどうするの?」
ジェン「なぜ市民も殺した?」
モーテ「??」
ジェン「その力を…人のために使おうと思わないのか?」
モーテ「………そんなこと言ってるからプーゴさんもグリレット大将も死んだんだよ」
――あとがき――
ノナイウ国~。一番クソな国で~す。
面白かったり次が気になる方は星やコメントやレビューお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます