第40話 回想、残像
なんで…
アンジ「ロッティちゃん!!!!!」
血しぶきが上がる。
見た瞬間分かった。即死だ…
モーテ「ふう…」
返り血を浴びながらこっちを見るこの化け物が…とても怖い…
逃げる?帝国に報告を…でも…目の前でここまでされて引き下がるなんて…
初めて戦場に出た時ですらここまでじゃなかった…人間を相手にしているとは思えない…
自分の服をぎゅっと握る。私なりの心を落ち着ける方法だ。
縋るって言い方は悪いかもだけど…好きな人の作った物を感じて、縋って落ち着かせる。大丈夫。絶対倒す。ここで止める。私は杖を構えた。
モーテ「逃げないんだ」
アンジ「倒す。帰りを待つ人がいる。無様な姿では帰れない!」
モーテ「その感覚はわからないけど…向かってくるなら都合は良いかな」
アンジ「
モーテ「おわ!?」
超強風で壁に磔にする。
そこに…
アンジ「
小さい
即席の広範囲、風速弾丸。
アンジ「畳みかける。
モーテ「…
無理矢理動いた?でも飽和攻撃をどうさばく気?
モーテ「
魔法と体術の両方を使って…ていうか速!
アンジ「
氷の壁を張ろうとしたが…さらに急加速してきた。
間に合わない…!
アンジ「
持ってる杖に魔法をかける。
アンジ「ふん!」
モーテ「!?」
杖を振り下ろした。避けられはしたものも…
モーテ「まじ?」
床が砕け散った。
アンジ「私は接近戦が弱いって思った?
杖から
モーテ「黒百合!」
あのカウンターごと…ぶっ飛ばす
モーテ「げっ」
アンジ「っ!?」
モーテ君は勢いそのまま壁に激突。でも私の方もよろめいた。あれだけ有利な体勢だったのにこっちも崩されるのか…
私も
アンジ「じゃあ」
杖を思いっきり床にたたきつける。
床が崩れた。
モーテ「何を…
アンジ「
空中戦。
モーテ「
アンジ「遅い。
避けながら攻撃を叩き込む。
モーテ「黒百合」
アンジ「
モーテ「
アンジ「
モーテ「
大質量の攻撃も切り裂く。でも攻めに転じる余裕はモーテ君にはない。
しかも…
アンジ「
モーテ「黒百合…あっ」
モーテ君の剣をとうとう弾いた。
モーテ「痛…」
私たちが来たときも、その数日前にはアルソちゃんとロッティーちゃんとの戦闘もあった。原理はわからないけど魔力切れを起こさず魔法を使ってる…でも体はまだ7歳。ついてこれてない!
アンジ「やっと子供らしいところが見れた」
ここで叩く。
アンジ「
モーテ「
氷の鏡に
人間を相手にしている気がしない…その理由がどんどん言語化できる感覚。
情の無さも、死者、死体を容赦なく使うところも…そして自分の死に異常に敏感で殺すことへの躊躇が全くないことも…頭でわかってても気持ち悪い。怖い。
そしてなんでこの子が強いのかもわかった気がする。無尽蔵の魔法も当然ふざけてる。それに加え残像が残りぶれる黒菊、ほとんどの攻撃を撃ち返してくる黒百合、一気に多数を斬りつける黒蘭。でも…一番は…
殺す躊躇の無さ。殺すための、死なないための思考の速さ。
魔法の発動速度は私の方が絶対に速い。組み立てだって負けてない。それでも撃ちあいになってしまうのは思考が違うからだ。私が使う魔法を選んでる間にモーテ君は動き出してる。
常識を…捨てろ…
アンジ「
今度はビームを氷で散乱させる。多分これもモーテ君は…
モーテ「
飛びながら避けながら、防ぎながら。こっちに近づいてくる。
モーテ「使ったことないけど…
加速…左腕…やられ…
常識を…捨てる…
アンジ「
モーテ「
自分の左腕を切り落とす。次の瞬間にはモーテ君がその左腕を掴んで
モーテ「!?」
今…!
アンジ「
全力で…叩き込む…
あれ?急に不安感が押し寄せてきた。視界が歪む…
でも間違いなくチャンス…なのに…
走馬灯がよぎる…
――――――――――――――
アンジ「今度、任務でカステに行ってくる」
???「そうか…気をつけてな。帰ってきたらどこか行くか?」
アンジ「デート?」
???「だな」
アンジ「やった!いこいこ!」
???「ふふ、それ用の服も作っておくよ」
アンジ「忙しいんじゃないの?」
???「アンジ用は別腹だ」
アンジ「なにそれ。楽しみにしてる!」
???「おう、気をつけてな…無事で」
アンジ「任せて!3帝だもん」
――――――――――――――
何を思い出して…
アンジ「あああああああ!!」
杖を振りぬく。
モーテ「痛いでしょ」
背筋が凍った。
私の攻撃は…手ごたえ無く。残像を叩いた。
モーテ「黒菊」
――あとがき――
前話と同じ終わり方をするとは…いや…きるとしたらここかなって…
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