第33話 次の矢を…
アルソ「
ロッティ「本気だね」
モーテ「
俺らしくない賭け。こんなボロボロの状態で逃げないなんて…
でも、ここで今後数十年が変わる気がした。
モーテ「火の矢…そんなこともできるのか…」
足場が崩れるどころじゃない。燃える。これを何発も受けるのはまずい!でも…
モーテ「弾き返せば問題ない…!」
できる気がした。脱力のイメージで力をそのまま受け返す。でも剣の形だと芯からズレる可能性があるので扇子の形にゼーレを変える。
モーテ「霊剣術…黒百合!!」
アルソ「うそ…」
ロッティ「笑えないよ…」
できた。これができるなら一気に話が変わる。射線を切りながら走ったりする必要がない。つっこめる!
ロッティ「アルソ!!まじか…ゼアちゃん!行ってあげて!」
ゼア「はい!」
アルソ「一番得意な形で…殺す。
9本。そこまで多くないか?
と思ったが威力が1本1本高い。トータルならこれが一番…
モーテ「黒百合」
回避と黒百合のカウンターを合わせて捌く。
ロッティ「まるで舞だね…」
アルソ「踊りで避けれるほど甘くないよ」
遅れてもう一本、矢が飛んできた。
モーテ「時間差!?!」
アルソ「いった…」
…
ロッティ「まだ!!!」
ロッティが
モーテ「クソ…」
足を撃ち抜かれた…
アルソ「いつの間にそっちに…」
急加速でおれは時間差の
狙撃のやつにはばれて撃ち抜かれたが…足やられたのしんどいな。
モーテ「脱力…」
足をやられていようと…
アルソ「急に!?」
予備動作の無い移動で距離を詰めた。
モーテ「射程範囲だろ、
アルソ「っつ!?
速射でもしっかり相殺してくる、流石の腕前。でも…
モーテ「霊剣術…黒菊…」
ゼア「させない」
あと少しで斬れるというところでゼアに邪魔された。
モーテ「ゼア…」
ゼア「モーテ君…」
アルソ「ありがとゼア…助かった…けどあれって…ゼアの?」
ゼア「そうですね。気配を消して急に近づく。私というよりは師匠の技術ですがそれに近いです。独自の発展をしてるようですが」
モーテ「ほんと参考にさせてもらってます」
ゼア「別に私はコンパもアンコも裏切ってたわけだし、君にそこまで愛着があるわけじゃないけど…1人でこっからも生きていく気?」
モーテ「当然…俺の城に仇なすなら…誰だって」
ゼア「帝国の仲間になる気は?」
モーテ「ない」
ゼア「そっか…」
モーテ「うん…」
ゼア「っ」
モーテ「黒菊」
お互いに首を狙った一撃が衝突。
ゼア「やっぱ…ぶれる」
モーテ「さすが…」
ロッティ「吹っ飛べ」
超強力な
モーテ「黒百合」
しかし今の俺にとっては怖くない。
弾き返した?いや…威力が高すぎて逸らすのが精いっぱいだった。
おっ?
モーテ「黒菊」
ゼアが死角から刺してくるが躱す。
ゼア「嫌な感覚」
躱すとき、懐に潜るときは黒菊。
アルソ「
モーテ「黒百合」
弾き返すときは黒百合。
自分流が定まってきた。
アルソ「黒菊ってゼアちゃんの動きに似てるけど少し違うよね?」
ゼア「はい、私が教わった、暗部が教わるのは気配無く近づきいつの間にか、相手が気付く前に仕留める動きです。でもあの子は動きが妙なブレ方をして残像として残ってます」
アルソ「さっき私が仕留めたって思ったのも残像ってことね…」
ゼア「そんなことよりアルソさんはもっと距離を…」
アルソ「もう…これは逃がしてくれないでしょ。迎え撃つしかないよ。だから…」
ゼア「え!?」
モーテ「!?」
ロッティ「アルソ!?」
ゼアの体は傷つけないように、ゼアの服だけを上手く弓で止めてゼアを遠くに吹き飛ばした。これは…
アルソ「2人とも…逃げて…」
ロッティ「何言って!?二人なら勝てるよ!ここで…」
アルソ「ううん…この距離で感じる死の匂いが…尋常じゃない。この子…まだ練習みたいな感じだもん」
モーテ「いい勘してる。
予想以上に強くて死にかけはしたが、カラムの兵が押し寄せたことで魂がかなりある。
ゼア、ロッティ「「!!!!!」」
アルソ「…」
モーテ「逃がさない」
アルソ「逃げて二人とも!帝国に…!この化け物の報告を!!」
ロッティ「そんな…」
ゼア「アルソさん?」
アルソ「はやく!!!!!!!!!」
ロッティ「~~~~~~~~~~!!!!!くそ」
ゼア「…!」
モーテ「待て!」
アルソ「君が待ちなよ…」
モーテ「邪魔…黒百合」
2人を追おうとしたがアルソの猛攻に阻まれる。魔力の残りなんて考えてない。完全に捨て身だ。
モーテ「
アルソ「まだ速くなる!?」
この後も逃げる二人を追おうとしたが懸命、まさに命を懸けた抵抗にあい、結局逃がしてしまうことになる。魂も多く使って…結局…
モーテ「はあ、はあ、はあ、クソ」
2人には逃げられた。が…この弓使い、アルソは仕留めれた。
アルソ「がはっ」
モーテ「まだ生きてんのか」
アルソ「君の魔法は…君の魔力量とは思えないほどの力を持っていた…あれはなんだ?」
時間稼ぎ…いや、もう追えない、稼がれてもいいか。
モーテ「殺した魂分を使ってる」
アルソ「?自分の命を削ってってこと?」
モーテ「違う、俺がこれまで殺した人の魂だ」
アルソ「…そんな…そんなこと…」
モーテ「ん?」
アルソ「じゃあ…」
次の瞬間、こいつは舌を噛み切りやがった。
モーテ「は?おい!?」
ゼーレで斬る間もなく、自害してしまった。
――あとがき――
…
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