第31話 弓と狙撃
モーテ「ん?」
風呂から出て家具を部屋に配置していこうとしていたところで気づいた。
モーテ「あそこ行ったら死ぬな」
窓の近くに嫌な空気が漂っている。
モーテ「
城の周りを探るが…
モーテ「あれ?誰もいないな」
それでもこの勘はバカにできない。
それなら普通に生活は送れるだろうが…元を叩かないといつか致命傷になる気がする。そうなると…
モーテ「
物置から適当な人形を引っ張ってきて動かす。前までは新種がいたら他の動物に対してどう動くかを観察していたが今はこういうことが出来る。人形を実験台にして様子見。嫌な予感がする窓の前の空間に人形を動かしていく。その瞬間…
ゼア「きま…」
ドンッ
「した…」
モーテ「っつ!?人形が吹き飛んだ…攻撃?どこから…」
だが間違いなく敵がいる。厄介なのは俺の探知班以外からこの精度と威力で攻撃できるということ。そして…あれだけ濃厚な死の匂いを放つということ…
モーテ「グリレット、プーゴクラスか?」
間違いなく強い。しかも敵の位置が分からないから何もせずに殺される可能性まである。考えるがいい対応があまり思いつかない。
モーテ「むしろ今は敵のいる方角が分かっているのか…」
動くのは早い方が良い。囮を沢山…いやそんな人形に数がない。
モーテ「クソ、死体燃やすんじゃなかったな。保存方法考えとこう」
そんなこと考えていたら…より動きが早いのはあっちの方だったらしい…
城が震えた。
攻撃!?しかも火力が高い。
モーテ「クソ、でもここまでしてくるなら目視で確認できるか。
外に出る。そして攻撃の来る方向を見ると…
モーテ「遠い…あんなとこから攻撃してるのか」
弓を構える女性がいた。
時は少し遡って…
ロッティ「クソ…変な手応えだ。倒せてない…ていうか囮だったかも」
ゼア「まさか…この距離でばれた?」
ロッティ「勘か…」
アルソ「もう窓待ち作戦は使えないね」
ロッティ「外に出てくれればいいんだけど…」
アルソ「それならさ…私が行こうか」
ロッティ「?」
アルソ「私があの城を攻撃するからモーテ君が出てきたところをロッティが撃てばいい」
ロッティ「いいね」
アルソ「ゼアちゃんはロッティについてあげて、この子は私と違って近づかれたら結構きついから」
ゼア「了解です」
アルソ「じゃ、行ってくるから、お願いね」
ゼア「気を付けて」
アルソ「誰に言ってんの」
アルソさんが城のほうに向かう。
ロッティ「ふう、どこから出てくるか読めない、ゼアちゃんも見つけたら教えてね」
ゼア「はい…さっきはすいません、囮と気づかずに声をかけてしまって」
ロッティ「仕方ないよ、囮作戦は私相手なら有効な手段だもん」
ゼア「何か対策してますか?」
ロッティ「囮含めて全部撃ち抜く」
ゼア「…」
策とは?
ロッティ「そろそろアルソの射程に入るよ。準備しといて」
ゼア「はい」
ロッティ「アッもう入ってたっぽい。アルソだって成長してんじゃん」
アルソ「いくよ…
アルソさんの放った弓が城を震わせた。これがアルソさんのスタイル。ロッティさんが超長距離射撃だとしたらアルソさんは中距離から長距離を弓で制圧するタイプ。
アルソさんの射程距離すら十分おかしいレベルだ。
ゼア「なんて威力」
ロッティー「5本同時撃ちか、まだウォーミングアップでしょ」
魔法で具現化した弓を打っていくアルソさん。
次は10本。城を全体的に撃っている。あれ一本一本ちゃんと狙ってるらしいんだから恐ろしい話。
アルソ「出てきた」
アルソさんがある箇所に向けて
モーテ「
しかしモーテ君はその攻撃を相殺した。
アルソ「まじか、ロッティ?」
ロッティ「いけ」
アルソさんの弓が敵の足を止めて、ロッティさんがとどめ…
これが…この2人を3帝に押し上げた最強コンボ。
モーテ「
ロッティ「!?外した!」
アルソ「
アルソさんは追撃の手を緩めない。
モーテ「クソ…
モーテは走りながら、身を捻りながらアルソさんの攻撃を躱す。
アルソ「速くなった?
ロッティ「ドーン」
ロッティさんの
モーテ「ふう」
モーテ君は首を傾けただけで避けていた。
ロッティ「ああ完全に場所がばれてる。少し動くわ」
アルソ「急いでね~うかうかしてたら私が仕留めちゃうよ」
ロッティ「ハイハイ。任せんしゃい。ゼアちゃん行くよ」
通信具で連絡しながら。連携も取っていく。
でも一番の驚きはモーテ君だ。まさか3帝二人の攻撃を1ターン凌ぎ切るとは…
今の私じゃ勝てないだろうな…
アルソ「さて…どうしたもんかな?想像より強いぞこの子」
それはモーテも同じ感想。
モーテ「近づけないと始まらないけど…城から出たら
――あとがき――
3帝とモーテ激突!
さらっとゼアが「来ました!」って言いきる前に標準合わせて正確に撃ち抜いてるロッティとか、ロッティより射程に劣るとはいえモーテの感知範囲外から弓で高火力攻撃できてるアルソとか化け物っぷりも伺える話です。
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