第14話 元大将 プーゴ

コンパ「インチェ少将…別訓練ってなにするんですか?」


インチェ「決まってるだろ、森での移動訓練だ」


ああ…こいつら疲れてたなそう言えば。


アンコ「それってどうやってやるんですか?」


インチェ「通知見てないんだな。何人か協力してくれる兵士もいてな」


アンコ「ふむ?」


インチェ「そいつらで木属性魔法と土属性魔法を使ってもらい、森を再現する」


アンコ「うえ!?正気ですか?」


インチェ「当然規模は小さいだろうが練習にはなるだろう」


そんなことできるんだ。


「それって俺も行かなきゃ?」


インチェ「当然。むしろ君は教える側として必須だから。絶対来て」


「しょうがないなあ…」


コンパ「ちょ…モーテ!」


インチェ「まあ…モーテ君がそうなるのはしょうがないか…なんかご褒美用意しとくから」


「おっやった~!」


アンコ「いいなあ~」


コンパ「俺たちも終わったら大福でも食べに行こうぜ」


アンコ「いいね!」


ちょっと楽しみになった。


ゼア「私たちって通常訓練もするんですか?」


インチェ「もちろん」


ゼア「その間、モーテ君は?」


インチェ「特別教官を読んである。お前らはどっちかというと常識面の教育を頼む」


コンパ「いや…その教官に常識面も…」


インチェ「俺だってそうしたいよ…」


コンパ「ん?」

アンコ「あ…なんかわかったかも」

ゼア「あの人か~」


なんか不穏?


コンパ「プーゴさんか…」


インチェ「そうだ…」


「どういう人?」


コンパ「グリレット大将の師匠で元大将」

アンコ「強さも頭もいかれてる人」

ゼア「元祖脳筋」


「…俺逃げるわ」


インチェ「ダメだ。一応ちゃんと強い人だし来てくれるのはありがたいから…というわけだから頼んだぞお前ら。常識面、人間世界についてはお前らにかかっている」


「「「はい…」」」


周りにも兵士が集まってきていた。

そしてみんなが俺に手を置いたり同情した顔をしたり…


軍人たち「頑張れ」

    「可哀そうに、耐えろ」

    「殺されるなよ」

    「今度ご飯奢ってやるからな」


すげえ優しく?されてる。

怖いな。


そこからは少しだけ休憩。朝に動いたのもあって俺も部屋でだらだらした。

そしてその時が来る。ていうか…


プーゴ「お~!久しぶりだなこんな端っ子にくるのは!」


明らかに異質な力を持つやつが訓練場に入ってきた。部屋にいても分かる。

アッ来たなって雰囲気と…あと声でか。


プーゴ「儂が相手するガキってのはどこだ~!?」


うわ…呼ばれてる。行くか…


インチェ「ようこそ…ヴィナチ軍部へ」


プーゴ「お!?懐かしい顔だなあ!あの頭でっかちとよく一緒にいたやつじゃねえか。全然模擬戦に応じてくれなかったもんなあ」


インチェ「俺は平和主義なので…ディクトはどうですか?元気です」


プーゴ「ああ、グリレットとしっかりやっとる」


インチェ少将が少しプーゴさんの相手をしてくれている。その間に俺も練習場に着いた。他の兵士も付いている。みんないつもよりピシッとしてるな。


プーゴ「緊張気味な兵が何人かいるが…インチェが揃えてるだけあって中々だな」


インチェ「ありがとうございます」


プーゴ「そしてその最後に来たガキが噂の子だな?」


インチェ「はい、お願いします」


プーゴ「承った」


俺か…


プーゴ「そこのガキ残して他の者は基礎訓練に移れい!!!」


「「「「「「「「は!!!」」」」」」」」


訓練場が揺れる。すげえ圧。あと声でか。


プーゴ「さて…モーテとやら…かかってきなさい」


久しぶりの感覚…以上だ。竜を相手にした時より圧を感じているかもしれない。

木刀を拾って構える。


「いきま…」


プーゴ「違う!」


「ん?」


プーゴ「不思議な武器を持っているのだろう?使っていいぞ」


まじか…?


「危ないからって」


プーゴ「儂に危険を及ぼせるとでも?」


「…ゼーレ」


そこまで言うのならやってやる。


プーゴ「ほう…本当に奇怪な剣だ」


身体強化ボディバフ


剣の間合い。相手は素手だ。攻撃は当たらなければ怖くない。ここなら届かない。


プーゴ「衝撃ショック


「やば…!」


プーゴが魔法を乗せた左ジャブを放つ。

俺はとっさに横っとびした。


衝撃波が通っただろう地面が跡を残している。


兵士「でたあ…」

  

他の兵士もこの試合を見ているのか声が聞こえた。


兵士「全盛期はあれ一発で家が吹き飛んだって。しかもそれを連打」


兵士「懐かしい光景だ…頑張れガキンチョ」


クソ…他人事みたいに…


プーゴ「こないのか?なら…衝撃ショック


「くそ!!」


俺は何とか避ける。

この攻撃…威力もやばいが距離が離れてても届くのがずるい。


ファイア


プーゴ「ほう、小生意気に魔法を使いよる…だが貧相だ!衝撃ショック


ファイアがかき消された。でも俺はその隙に近づいていた。

剣を振る。

当たったろ…

そう思ったが…


プーゴ「惜しいな…勝てると思ったか?」


プーゴは素手で剣を止めていた。


「うわ…」


プーゴ「衝撃ショック


シールド


呆気なく割られた。

そのまま俺は吹き飛ぶ。


プーゴ「こんなもんか?確かに子供とは思えないのう…てかインチェ。こいつを鍛える必要あるのか?森では一部の化け物除けば最強なのじゃろ?」


インチェ「その化け物にも勝てる人材、何なら今後のカラム国の…30年後の最強にしたい。今はグリレット大将に頼りますがいずれは…」


プーゴ「…!?そんな未来のことを考えるようになったか!ほうほうほうほう!!いいではないか!将としての貫禄と自覚が出てきたな!」


インチェ「この立場になって…兵を率いる立場になってやっとわかりましたよ。あなたが柄でもない…本当に柄でもない後進育成に力を入れている理由が…兵の死亡報告を見るたびに…強い未来は必要です」


俺を吹き飛ばしておきながらめっちゃご機嫌そうなんだがあの爺さん。


プーゴ「ふふ、そういうわけなら任せろ任せろ。しごいてやる」


ヒイイイイィィィィ


訓練中の兵士から同情と恐怖の悲鳴が…


プーゴ「おい、ガキンチョ。もう立てるだろ」


「はあ…」


そりゃさっきから態勢も呼吸も整えてる。


プーゴ「自然に回復の仕方も覚えてるな。今度軍の訓練内容に森でのサバイバルの追加を打診するか」


インチェ「勘弁してあげてください」


プーゴ「そっか…じゃあまずはガキンチョ」


「はい?」


プーゴ「衝撃ショック付与エンチャントと、あとスタイル的に…斬撃スラッシュまでを体に叩き込ませる」


「ふえ?」


――あとがき――

やべえのが出てきました。

モーテはまだ7歳なのに…


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