読む方向と本の大きさを考えないとね。

 本に盛り込む内容についてざっくりと考えました。

 次に考える必要があるのは、本の大きさです。


 Amazonの電子書籍の場合は、考える必要ないです。

 勝手に読者の使用デバイスに合わせてくれるからです。


 私の場合、物理の本にしたいので、本の大きさを考える必要があるんですね。


 物理の本にしたい人も

「いいじゃん、小説なんだから、文庫本と同じサイズで」

 と、単純に思うかもしれませんが。


 違います。


 本の大きさによって、一ページに入る文字の数が変わり、結果、印刷するページ数が変わるんです。

 ページが多ければ、それだけ一冊の金額が高くなります。

「高くても買ってくれる人だけが買えばいい!」という方はこだわる必要はありませんが、私の場合、同じものがカクヨムで無料で読める関係上、できるだけ安く済ませたかった。


 なので、本の大きさについて、改めて考える必要がありますね。


 んで。

 オンデマンド印刷の場合、大きさや紙質に制限がある可能性があります。

 なので、どの販路で行うかによって、それぞれ違うので、それは自分の希望する販路の仕様を確認してから、決めた方がいいかもしれませんね。


 私の場合。

 基本、Amazonでのオンデマンド印刷です。

 で、価格を抑えたいので、できるだけページ数は減らしたい。

 でも、小説をデカイ本で読むのは、読むほうがキツイだろうよ、ってことで。


 本文を縦書きの二段組にする事にしました。


 それは、元がWEB小説だからです。


 これでも一応、読む媒体に合わせて一文の長さを意識しています。

 WEBで読む場合、あまり一文が長くない方が読みやすい。

 なので私の小説は、比較的一文が短いんですよ。

 で、それの何が問題かっていうと。

 段組みしない場合、縦書きにするとすると、紙の下半分が余る事が多くなるんですよ。一行が短いので。

 それはページ数が増える原因となる。

 なので段組みし、一行の縦の長さを短くして、短い一文にしたとしても、無駄なスペースが生まれないようにしたんです。


 そもそも二段組ってどんなの? という方。

「文章 縦書き 二段組」でググってみてくださいな。画像で見ると分かりやすいかもね。


 二段組はいいとして、なんで縦書き? WEB小説は横で読む人も多いのに、と思われるかもしれませんが。


 これは、人の視覚が理由です。


 縦書きは、横書きより、行間が狭くても読めるそうです。縦書き文化がある範囲限定の話ですが。

 不思議な現象ですが、確かに言われて縦書きと横書きを見比べると、横書きは行間がある程度空いていないと読みにくい。

 縦書きは大丈夫なんですよね。

 本当に不思議。


 ちなみに、もともとの作品はWEB小説を意識している為、空行も結構入れております。

 縦書きにすると、それを削除して、ある程度詰められる。

 これも、ページ数を減らす為の工夫の一つでもあります。


 あと単純に。

 私は小説は縦書きがいい。完全な好み。


 二段組にすると決めたら。

 本の大きさを考えます。


 文庫本サイズで二段組したら、一段の一行の文字数がめっちゃ少なくなる。

 さすがにこれは読みにくい。

 文庫本サイズはA6で105×148mmです。(※出版社によって微妙にサイズ違うけど)

 ページ数減らす為に二段組したいのであれば、文庫本サイズはねぇな、と。

 となると。

 候補としてあるのは

 A5サイズ(148×210 mm)かB6サイズ(128×182mm)。

 A5はA6サイズを2つ並べたサイズ。

 B6は、よくあるノート(B5)の半分のサイズです。

 A5は、漫画ならいいけど小説となると少し大きいかな、と。

 なので、B6にすることにしました。


 これについては、実際に現物のサイズを見た方が実感できると思います。


 あと、実は本のサイズについては、日本は規格が沢山がって、新書サイズ等もあります。

 新書サイズとは105×173mmで、横幅は文庫本と一緒、縦サイズがA6より大きくB6より少し小さいぐらい、というサイズ。

 新書サイズは、二段組しやすい。

 現実、二段組している新書サイズの本は沢山あります。

 じゃあなんで新書サイズにしなかったかというと。

 ページ数を減らしたいから。もうこれに尽きます。

 新書サイズよりB6サイズの方が幅が広い。それだけ文字が沢山入る。

 だから、そっちにしました。

 ケチです。ええ、ケチです。できるだけ一冊を安くしたかったんだもん! 仕方ないよっ!!


 と、いうことで、本の大きさが決まりました。


 ちなみに。

 この本のサイズや段組みの話は、完全に好みです。

 段組みしたくない人もいれば、文庫本サイズがいいひともいるだろうし、ノートと同じB5サイズがいい、いやA4サイズがいい、色んな人がいると思います。

 自分の好みに合わせて決めましょう。


 判断つけやすいのは、頼む予定の業者がどのサイズを扱っているか、ですね。

 実は。

 業者によって、本の大きさ、最大ページ数、紙質、色々違います。

 私は面倒くさい事はスルーしたいのでAmazonの仕様に合わせてしまっていますが……


 具体的に作る時に何が一番違う? といったら。

 本の場合、質ですね。

 実際のところ、Amazonのオンデマンド印刷──つまり、ペーパーバック版に紙質を期待してはいけません。

 ペーパバック判は、質についての選択肢があまりない。というか、現時点ではほとんどない。

 表紙についても、マット加工か否か、本文の紙も、白かクリームか、良いヤツにするか普通のにするか、ぐらい。

 PixivFACTORYは、もう少しだけ選べるね。


 紙質が何に影響すんの?


 という疑問が生まれるかもしれませんが、紙質は、本の厚さに影響してきます。

 本の厚さが変わると、背表紙の太さが変わるから、表紙を作る時に影響するんですよ。表紙を作る際は、表紙+背表紙+裏表紙を一つの画像として納品するからね。

 そこに関わってくる。


 もし、オンデマンド印刷ではなく、通常印刷会社に一括印刷の依頼をする場合は、結構細かく決められます。

 これも、自分がどこまでこだわれるか、です。


 正直、私は紙質にはこだわりがありません。箔押しとかもいらんねん。表紙をカラーにしたとしても、発色にもあまりこだわりがない。


 逆に、本そのものを一つの作品と考えて、そこにこだわる事もできます。

 ここについても、『自分がどこまでこだわりたいのか』を決めておいてから、業者を選ぶ必要がありますね。


 Amazonのオンデマンド印刷は、そこにこだわりがない人向けです。こだわれないので注意してください。

 私?

 私は、本の体裁になっていて、在庫を持たず、初期費用が安ければそれでいい。

 中身頑張るから。


 次は、じゃあ実際に何ページになるのかを、考えていく必要があります。


 今回はここまでっ!

 以上っ!!


 ***


 紙質について。

 紙質について、選んだことがある人は見た事があるかもしれないけれど。

 上質紙:70kg

 上質紙:90kg

 なんでkgやねん、と思うかもしれませんね。

 私は仕事で印刷会社にいた事もあるのでたまたま知ってました。当時は紙を触って何kgぐらいか分かった……(異常過ぎてちょっと引く

 四六判サイズ(127×188mm)の紙を1000枚重ねた時の重さです。

 ただし、これ、四六判サイズかどうかはその会社によります。どんなサイズでも、1000枚重ねた時の重さですね。四六判サイズ以外の場合は、kgが変わるので注意。大体の同人対応をしてくれる印刷会社さんは、どの斤量がどれぐらいか、例を示してくれているので、それを参考にすると良いですね。


 70kgっていうと、結構薄いです。新聞の折り込みチラシとか、週刊誌の本文の紙ぐらい薄い。

 ちなみに、出版社によって違うけど、文庫本の本文紙は、大体上質紙の55~70kgだそうです。結構薄いね。でも、それぐらい薄くないと、1冊が重くなっちゃうし分厚くなっちゃうからね。

 でも、薄い分、裏面が透けてるよね。

 コミック本の場合、絵が透けると読みにくくなるので、透けないようにもう少し分厚い。70~90kgぐらいかな。たぶん。きっと。どうだろう。今はもう触っても分からんからなぁ……


 どうでもいいけど、バーコードが素のまま読めたとか、紙の斤量が触って分かったとか、私その業界に数年いると異様なスキルを得るね。なんでなんだか……怖っ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る