世界壁と渡来武器使い

さびしゅ

第1話

この国にあの大きな壁ができて何百年経っただろうか??あの壁を越えようとするものはもういなくなった、民衆は壁の存在を忘れて壁があることが当たり前と思って暮らしている、、、あの壁の名前は

世界壁(ワールドウォール)




「やっとたどりつきました」

高貴なドレス、長い髪をおさげにした若干14歳の少女はとある下町の民家の前で立ち止まった。

民家のドアには乱雑な文字で「宝物ハンターリク 困ったことがあったらご相談を!」と力強く書かれている。

「本当にここに渡来武器(とらいぶき)を持ったハンターがいるのでしょうか??」

と言いながら少女がドアを開けようとした時

ドカンっっ!!

ドアが勢いよく開いて

「だから剣は渡せねぇって言ってんだろ!!ボケナス!!」

と民家から出てきた少年が言い放った。

「きゃっ!!」

少女は驚いておもわず尻もちをついて転んでしまった。

「ん??グラサンヤローじゃないのか??

大丈夫か??嬢ちゃん??」と少年は手を差し伸べながら言った。

「だ、大丈夫です、、、ありがとうございます」

と少女は目を丸くしながら少年の手を取った。



少女はリクという少年の民家の一室に通された、

民家の一室にはテーブルがありその両方にあるソファに少女とリクがそれぞれ座っている。


「なるほどね、あんたも俺の武器を求めてこの辺鄙な下町の外れに来たと??」少年は呆れ顔で言った 


少年はポケットがたくさんついたパーカーにジーンズ、髪の毛は黒髪でツンツン、少女と変わらない年齢の容姿に瞳の色は緑色、整った顔なのに、呆れ顔のせいで台無しだ。

「はい、どうしても、私には渡来武器、が必要なんです!!お願いします譲ってください!!!」

少女はそう言って頭を下げた。


「断る」


と少年は少女の願いを一刀両断しこう続けた、


「第一その服装から行って王家の人間だろ??なんで王家の人間が渡来武器(とらいぶきを)求めてるんだ??

今度は民衆から武器を奪って無力化しようとしてるのか?」


少女はしょっぱい顔をした、確かに今、この国の王様は

民衆や抵抗組織を封じるのにやっけになっている、

特にこの国では弾圧されている月の女神を崇める月の宗教が気に食わないのか、月の宗教に対する弾圧には目を見張るものがある、、、。それに、壁の向こうから来たと言われている渡来武器には不思議な力が宿っていると言われていて、この国のあちこちに隠されている渡来武器の回収にも力を入れている、この少年、「リク」

の言う通り民衆のクーデターを危惧してのことだろう。。。

「それでも引き下がれません!!」

と少女が切り出しても少年はそっぽを向いて全く取り合おうとしない、しびれを切らした少女が「私の夢のためなのに、、、」とボソッとつぶやいた。

「夢??あんたの夢ってなんなんだ??」

リクはさっきとは一変として夢という単語に興味を持ったのかとても真剣な顔で少女の目を見て尋ねた。

その様子に少女は少し驚きつつも少女は自分の夢を語り出す

「壁の向こうです、、あの王城の後ろにあるいつからあるのか分からないほど当たり前になってしまった壁の向こうの景色を私は見てみたいんです、、」


「楽園がある」


少年はそっぽむきながら言った、その言葉に少女は「そうです!伝承によればあの壁の向こうには楽園があると言われています!私はその楽園を見てみたい!!」と少女は目を輝かせて話した。リクは興奮気味の少女にこう切り出した


「でもなんで壁を越える夢と俺の渡来武器が関係しているんだ??」

「本に書いてあったんです、壁の向こうに行くには5つの特別な渡来武器のうちどれか一つが鍵になる、そのうちの一つがリクさんの持っている剣にそっくりなんです!」

と少女は小さなカバンから本を取り出し部屋の片隅に置いてあるリクの剣とそっくりな絵が書いてあるページを見せた。


それを見たリクは少し考えた後

「俺の剣は大切な人の形見だから譲れねぇ」

少女の顔は曇った

「だけど他に4つあるんだろう??もしかしたらそのうちのどれかがあんたのいう鍵かもしれねぇ、俺の武器は渡せねぇけど渡来武器に詳しいやつがいるんだ紹介するよ」とリクはしょんぼりしてる少女に話した。






カンカンカンカン金槌が金属を叩く音が心地よく響く

ここはリクの民家からそう遠くないところにある

町外れの鍛冶屋、2人は鍛冶屋の中に入っていくと

「よぉアルカ!」とご機嫌にリクは必死に熱した金属を叩く青年に話しかけた。

カンカンカンカン

「アルカ??」

カンカンカンカンカンカンカンカン

「あ、アルカ、、、??」

アルカと呼ばれている青年は金属を打つのに必死で全く

リクの声に気づかない。

「気づけよぉ、、、」とリクが弱々しく呟くと

「やぁ、リクどうしたんだい??」

さっきまで鉄に夢中だった青年は急に鉄を打つのをやめこちらを向いて言った。

「オマエ!絶対わざとだろ!!」

とリクが半分泣きながら叫ぶと

「なんの話だい??」

とアルカは涼しい顔で答えた。

(リクさんいじめられてるんでしょうか??)

と少女はおもったけど口に出すのはリクがあまりにも不憫なのでやめた。




「彼女連れてきたの?リク?」

アルカは一通りの作業を終えるとニヤニヤしながらリクに言った。アルカの服装はまさに鍛冶屋というもので分厚い手袋に動きやすさを重視した作業着、腰回りにはさまざまな工具が収納できるベルト型のホルダーをつけている、彼の容姿で一番特徴的なのはおでこにある傷だ鍛冶屋の仕事の時についたものなのだろうか??

「そんなんじゃねぇよ!」とリクは返してこう続けた

「渡来武器ってどこで手に入るんだ??」

それを聞いたアルカは

「渡来武器なら闇市か、どこかに隠されてるやつを見つけるしかないと思うなぁ、でもなんで今更?」

とリクに言った。

「壁を越える鍵になる渡来武器を探しているんです」

と少女は話に割って入った。

「ということだ、この王家のお嬢さんにぴったりな特別な渡来武器に心当たりとかねぇか?」

リクの質問にアルカはしばらく考えると


「本当にその子が王家の人間ならこの街から南にある洞窟に王家しか入れない洞窟があるってきいたことあるなぁ

なんでもそこには特別な渡来武器が眠ってるらしいよ、その、鍵というやつかもしれない」

と、つらっと答えた。

(このアルカって人変わってます、、、)と少女は思った。

少女が変わってると思ったのは、壁を越えるという言葉に対して全く言及して来なかったのが大きい。壁を越えるという行為そのものがこの国では禁止されている。。。

なぜなら壁の向こう側に行くっていうのは月の女神の思想だからだ、ましてや今この国が信仰している太陽の女神の宗教は壁を越えることを悪魔の行為だとしている。

リクに夢を聞かれた時もリクの渡来武器を譲ってもらうためとはいえ、内心ドキドキなしながらリスキーな回答をした。

それをすんなりと受け入れたアルカという青年そしてリクのことが少女は不思議でたまらなかった。城でそんなことを言ったらすぐに懲罰がくだるのに、、、。しかしその疑問はすぐに解けた。

「リクの夢だもんな壁を越えるって」

とアルカが、リクに笑いながら話した。

「えっ!リクさんも私と同じ夢を、、、」

少女は驚いて思わずリクに尋ねた。

「そうだよ、コイツ事あるごとに壁を越えるだとか、壁の向こうの世界を見たいとか、壁を壊すだとか、壁に関することが口癖のようなもんだからさー、毎回国の兵士に目をつけられないかヒヤヒヤしてるんだぜ」とアルカは笑いながら言った。「はぁ、兵士の前では言わないように気をつけてるって!、、、そうだぜ俺の夢は嬢ちゃんと同じ壁の向こうの世界を見る事、正確にあの壁を壊してやりたいってところだな」とリクは少女の質問に答えた。

少女はその答えを聞いて納得した、リクが私の夢を聞いた途端突然協力的になったのは、同じ夢を持っていたからなのだと思った。



「さてと、それじゃあ、その洞窟とやらに行きますか」

というリクの言葉に少し驚いた少女はこう尋ねた

「いいんですか!?これは私の問題みたいなものなのに、、、」

「別にいいぜというより、俺も行きたいってのが本音だ、

あの壁を壊す兆しになるかもしれない」とリクは言った。

確かに、鍵のこと、王家のこと、何より壁のことを考えると私と共にその洞窟に行く方がリク的には得かもしれない。

、、、見た感じは損得考えずに夢に向かって突っ走るという方が合ってると思うが、と考えてると鍛冶屋の奥から突然


「おいおい、同じ夢を持つ同士ってのに仲間外れとは寂しいねぇ、、リクくん」と言いながらサングラスをしたスーツ姿の青年が現れた、青年の腰には銃が装備されている、おそらくこれは、「渡来武器!?」と少女は思わず驚いて、言ってしまった。

「はぁ、、、厄介のが出てきたな、お前ずっと盗み聞きしてたのかよ!」とリクは少女の驚きの言葉にも目もくれずにスーツ姿の青年に語りかけた。

「盗み聞きとは失敬な、リクくんに協力できないか考えながら聞いてたんだぜ??おっとこれは失礼私の名前はジャスタお嬢ちゃんのお名前は??」とジャスタは少女に問いかけた。「そういえば、嬢ちゃんの名前聞いてなかったな??」

というリクの発言に「ええ!?リク、彼女の名前も知らなかったの??」とアルカが茶化した。

「仕方ないだろ!そんなタイミングなかったし、、」とリクが言い訳のようなことを口にすると「はぁ、リクくんは本当に抜けてるところがあるねぇ、」とジャスタは呆れ顔で言った。


「おっと失礼嬢ちゃんの名前は??」とジャスタは改め少女に聞いた。「ルピです、至らないところがあると思いますがよろしくお願いします。」とルピは丁寧に答えた。

「ルピって言うんだな、改めて俺はリク、よろしくな!」

とリクが改めて自己紹介をした。

「よし、自己紹介もすんだことだし、その洞窟とやらに行くか」とジャスタはリクとルピに言った。

「はぁ、しょうがねぇなぁ、ルピ、コイツも一応調子がいいが渡来武器の使い手だ連れていこうぜ」

と少々不満げにリクは言った。

「わかりました!旅は道連れですもんね」と言うルピの言葉にジャスタは「よし!短い旅だが3人仲良くやってこうぜ」

と言い3人はアルカにお礼と別れを告げて洞窟へと向かった。






見渡す限り荒野、街の南には荒野が広がっていてここを通らなければあの洞窟には辿り着けない。

洞窟を目指して3人は荒野を歩いていた。


「そういえばどうしてルピは壁の向こうの世界を見たいと思ったんだ??」と唐突にリクは尋ねた。

ルピは少し考えてこう答えた「私の家は王族の家系なんです、ですけど城の中の現状は王位につくために足の引っ張り合いをする毎日、、、おかしいですよみんな親戚みたいなものなのに、争い合うなんて、、うんざりしてしまいます。」

ルピはとても悲しい顔をしていた。

「ルピちゃん、、、」ジャスタはつぶやいた。

そしてルピはこう続けた「でも、そんな時、図書館の奥にある埃のかぶってる本を見つけて!その本には壁の向こう側にはみんな笑い合って暮らす楽園があるって書いてあって、、

夢を見ちゃったんです、、壁の向こうの側の楽園を見たいって、でも壁の向こう側を見るって思想は月の思想でこの国では反逆を意味します、、、王家の人間が壁の向こう側を見たいなんて変な話です。」とルピはしょんぼりした

「変じゃねぇよ」「えっ、、」

ルピは突然のリクの言葉に驚いた。

リクはこう続けた「確かに壁の向こうに行くのは月の女神の思想だ、太陽の女神を崇めるこの国は禁じている思想だ、

だけどな夢に宗教なんか関係ないだろ?ルピが壁の向こうを見たいって思ってそれを夢だと言うなら見てやればいいじゃねぇか、そして城の中のジメジメした連中に自慢してやれよ

壁の向こうはもっと広い世界が広がっているってさ」

とリクはニカっと笑った。ジャスタも心地よさげにリクの言葉を聞いていた。

そして、ルピは自分の中で嬉しさのような何かが込み上げてくるのを感じた。

「リクさんが私に協力してくれるのはやっぱり同じゆ、、、」

「ついたみたいだぜ」とジャスタがルピの言葉を遮った。






3人は王家の紋章が刻まれた大きな洞窟の入り口の扉の前に立っていた。

「入り口閉まってるな」とリクが言った。

「この扉に描かれてるの紋章王家の紋章だろうけどどうすりゃ中に入れるんだ??」とジャスタは入り口の紋章を見ながら言った。

「もしかしたら、私の力で開かれるかもしれません」

ルピはそういうと洞窟の入り口の紋章に触れた。

すると固く閉ざされてた扉が開きだした。

「おおっすげぇこれが王家の力ってやつか!?」

ジャスタは興奮気味にルピに尋ねた。

「はい、大昔に王家が塞いだ場所はこの国にたくさんある、、、と聞いたことがあります、その塞がれた場所を開けるには王家の血を引いたものが触れる必要があるらしいです、塞いだ理由はわからないですけど」とルピは苦笑いをして言った。「塞いだ理由はきっと隠したいものがあるか?それとも何か重要なお宝が眠ってるかだな」とリクは少し興奮して言った。「ということは、この先に渡来武器が眠ってる説は有効だな、その鍵ってやつなのかもしれない。」とジャスタは冷静にになって分析をした。

「何はともあれルピありがとうな!これで先に進める」

とリクはルピにお礼を言うと洞窟の中に向かって歩き出した。





洞窟の中は遺跡のようになっていて所々にあるたいまつが

行き先を照らしてくれている。

「このたいまつずっと燃え続けてるんでしょうか?」

ルピが不思議そうにたいまつを見つめた。

「ルピちゃん多分これ全部渡来武器とらいぶきだぜ」

とジャスタは答えた。

「これも武器なんですか??」と、ルピは不思議そうに返した。「渡来武器とらいぶきは俺の剣とかグラサンの銃のように武器の形をしているものだけじゃなく、このたいまつのように不思議な力を持っている道具のことを言うんだ、例えばこのたいまつだったら燃え続けると言う力を持っている

るって感じだな」とリクは言った。

「しかしすごい量のたいまつだな昔の王家には有り余るほどの渡来武器とらいぶきがあったらしいな」とジャスタは立ち止まって、感心しながら言った。

「感心してる場合じゃないぜ、これが鍵とは思えないからな、置いてくぞ」っと言いながらリクとルピはさっさと洞窟の奥に進んだ。「あ、おいちょっと待てって!ルピちゃんまで!!」とジャスタは急足でリクたちを追いかけた。



「第一の試練「力を示せ」と書いてあります」と

王家の人間しか読めないであろう複雑な古代語をルピは読み上げた。3人は洞窟の奥に進んでいき行き止まりにぶつかった。そしてその行き止まりの扉にはルピの読み上げた文面が書かれていた。

「力を示せか、、、これはリクくんの渡来武器向けの試練じゃない?」とジャスタはリクに向かって言った。「そうだな俺の変化剣(へんげけん)の出番だな」

と言うとリクは背中の後ろに携えてた剣を持ち

「大剣化!!」と言った。すると細身で小さかった赤い剣はみるみる大きくなり立派な大剣となった。

「これがリクさんの渡来武器(けん)の力」とルピは少し驚きながら言った。

「行くぜ」リクがいうとリクは思いっきり大剣と化した変化剣を扉にぶつけた。

どがぁん!!!!

と大きな音を立てて扉が開いた。どうやらリクの変化剣は形に合わせて持ち主の力も強化してくれるらしい、リクの華奢な体からこんな力が出るのはそう説明するしか納得が出来なかった。

「す、すごい、、」とルピがあっけに取られていると、

「じゃあ進もうぜ!」とリクは自慢げにルピとジャスタに言った。



「第二の試練「技術を示せ」と書いてあります。」

とルピがまたしても現れた行き止まりの扉に書かれている古代語を読んだ。

この扉の前には5つの何かを反射することを想定した石が一番上についている小さな塔が設置されていた。

「技術を示せ??どうゆうことだ??」とリクはうんざりしながら言った。「どうゆうことなんでしょう??あれこの文続きがある、、、「一撃で決めろ???」なんのことでしょうか??」とルピは首を傾げたその時

「なるほどな、どうやら俺の出番らしいな」とジャスタが自信満々に言った。

「何かわかったのかグラサン??」とリクが尋ねると

「つまりこうゆうことだろう??」と言いながら

ジャスタは腰にはつけてあった銃を取り出した

「?」なんのことだかわからない2人は目を合わせた。

その時ジャスタは塔の上の何かを反射出来そうな石に向かって銃弾を放った。その銃弾は石に当たると跳ね返って隣の塔の石へとあたりまた跳ね返ってを繰り返して3人を取り囲む石の塔を一周したあと動きがゆっくりになりジャスタの手の中に戻った。

「何がおこったんですか!?」とルピが驚くと

「反射銃(リフレクトじゅう)、あいつの渡来武器は放った銃弾を自由に反射させることのできる銃なんだ、、銃弾を自分の手元に戻すこともできるらしいぜ」とリクが答えた。

「リクくんの言う通り!おそらくこの第二の試練ってやつはこの5つの塔に攻撃を一発で全てに当てろってことだと思うぜ」とジャスタが言った瞬間

ガラララ、、、

と扉が開いた

「ねっ」とジャスタは得意げに言った。

「すごいです!ジャスタさん!!」とルピがいうと

「まぁ、要するに小賢しい銃使いってことだな」とリクはジャスタの方を見ていった「小賢しい一体だれのことかな??」とジャスタはとぼけた。

(この2人、不思議な関係です)とルピは思った。



「第三の試練「知識を示せ」と書いてあります。」

「まだあるのかよ、、」リクはうんざりした。

「まぁまぁ、それほど鍵ってやつが重要なんだろ」

とジャスタはリクをなだめた。

「でもどうすればいいんでしょう??このパズルを解けばいいんでしょうか??」

とルピは首を傾げた扉の表面に難解そうなパズルが埋め込まれている、、、

「俺こういうのは、得意じゃねぇんだよなぁ、、、

なぁジャスタ??」とリクはジャスタに話を振る

「な、なんで俺に振るんだよ!?アホがバレるじゃねぇか!!」とジャスタは少し焦りながら答えたその時

「あ、解けました!」とルピが涼しい顔で言った。

「えっ!?!?」リクとジャスタは涼しい顔でパズルを解いたルピに驚いた。

ガラララ、、、

と扉が開いた、そしてその先にいかにお宝ですよって感じの宝箱が現れた。

「ルピちゃんすごいじゃないか!」とジャスタは感心した。

「ああ、すげぇよルピ」とリクもルピを褒めた。そして「どうやら鍵がようやく現れたようだな」と続けた。

「そうだな早いところ開けてしまおうぜ」と言いながら

ジャスタが宝箱に近づいた時、


ビューン



と3人の後方から赤色のビームが飛んできてジャスタの右肩を貫いた。






「ぐぁぁぁぁ!!」



ジャスタはあまりの激痛に倒れ込んだ。

リクはルピを庇いながら変化剣を持ち

「だれだ!!!!」と叫んだ。


そこに立っていたのは、、、、、、、


アルカだった


「アルカさん!?どうしてこんな!!」ルピは動揺している。「なんの真似だ!アルカ!!」リクは仲間(ジャスタ)が傷付けられたことに関してかなり怒っていた。


アルカの様子はおかしい鍛冶屋でしていた手袋はしていなくて右手に赤い宝石のようなものが埋め込まれてる。

「まさか本当にお嬢さんが王族だったとはね、つけてきた甲斐があったよ、、」とリクはうっすらと嬉しそうに言った。

「何が目的なんだ!この宝箱の中の渡来武器か??」リクは戦闘態勢に入っていた。アルカが裏切ったことよりも仲間が傷付けられたことの方が彼の中では大きいようだ。

「その通りだよリク、その宝箱を僕に渡してくれないかな??」とアルカは答えた。

「だれが渡すかよ!!」とリクは変化剣を大剣に変えてアルカに対して振るった、、、

しかしリクの大剣はピッタリと止まった、、いや止められたのだアルカの左手によって。

「ありえないです、、、」ルピは思わず口をこぼした、リクの大剣の威力は第一の試練でしっかりと見ていた、とても人1人が片手で受け止められるほど甘いものではないはずだ。

リクも「嘘だろ、、、」と驚きを隠せなかった。

アルカは剣を左手で受け止めながら右手をリクに向けた

こぉぉぉぉぉぉと右手の赤い宝石に光が溜まっていく


まずい、、このままでは悪いことが起きるとルピは思った瞬間、アルカの右手から放たれた光がビームとなってリクの体を貫いた!「ぐぁぁっっ」リクは剣を離し後ろへと倒れた、

変化剣へんげけんは元の小さな剣に戻って、カランっと地面に落ちてしまった。



「さてと、邪魔者はいなくなったね、お嬢ちゃん、、、いやルピさん?」とアルカは不敵な笑みを浮かべた。

ゾクっとルピの背筋は凍ったが勇気を振り絞って震えた声でルピはアルカに疑問を問いかけた、「どうして、こんなことをするんですか!?同じ仲間じゃなかったんじゃないんですか!!」と、それに対してアルカはバツが悪そうに答えた

「仲間ねぇ、、、別に仲間とは思ってなかったよ、そこの2人とは、、、でもルピさんは王族だしその箱を開けてもらわないといけないからね、仲間だよ」とアルカはにっこりと笑った。この人はとても怖い人だとルピは思った、、人の価値を利用出来るか出来ないかで判断しているあまりにも露骨に。

さらに、アルカは続けた「それに、壁を越えるなんて出来るわけないじゃん?この国では月の思想は弾圧されるんだよ??僕達みたいにね、、、」とアルカは作業着のジッパーを下げて

自分の右胸をルピたちに見せた、そこには月のマークが彫られていた。「月の信仰のマーク!?」と3人はそれを見て驚いた。「聞いたことがあります、過激な月の女神の信仰者は自分の体に月のマークを入れると、初めて見ました、、」

とルピは震えながら行った。アルカはそれを聞いて心地良さそうに「その通りだよ僕は月の女神の信仰者で、月の女神の信仰者のギルドに属している、、この国の腐った態勢に物申すためにね、、ルピさんとその宝箱はそれに利用できる、、だからルピさん、その宝箱や渡来武器と共に僕の元に来てくれないかな??」

とアルカは自分勝手なことを言い出した。

ルピはしばらく考えて

「私があなたについていったらこの2人は見逃してくれますか??」と答えた。


「おい!!ルピ!!!」とそれを聞いていたリクは弱々しくも力強く叫んだ


「いいのかよ!ルピの夢は!!そいつについてっても夢が叶うわけじゃないんだぞ!!」とリクは叫んだ。

ルピは「2人が助かるのなら、、私の夢はここで終わっていいいです、、、短い旅でしたけど2人は私の大切な仲間になってるんです、、、だから、、、」とアルカの方に宝箱を持って足を進めた、確かに今の状況で2人を死なせないないためにはルピがアルカの元に行くしか考えられなかった。

「ルピちゃん!!」「ルピ!!!」とリクとジャスタは思わず叫んだがルピの足は止まらなかった、ルピはアルカの前で振り返って「ありがとうございます。リクさん、ジャスタさん私の夢を笑わないでくれてありがとう、、、」と泣きながら言った。

この一部始終をアルカはつまらなそうな目で見ていた。

「じゃあ行きましょう、ルピさん」とアルカとルピが歩き出したその時


「同じ夢を持っていたからだよ」と静かな声でリクは言った。「えっ、、、」ルピは思わず立ち止まった


「この洞窟に入る前にルピが聞こうとしていたことの答えだ」とリクは言った。確かにルピはこの洞窟に入る前にリクに「どうして私に協力してくれるのか??」と聞こうと言葉にした、ジャスタの声に遮られてしまったがリクの耳にはちゃんと届いていた様だ。「俺さぁ、同じ夢を持ってるやつがグラサンしかいなかったんだよ、だからさ、ルピが壁の向こうの楽園を見たいって話してくれた時、仲間ができたみたいで嬉しかったんだ」とリクはさらにこう続けた。

「ルピ、、、いいのかよ、、せっかく同じ夢を持つ仲間が見つかったんだぞ、こんなところでこんなくだらない理由で夢を諦めていいのかよ!!ルピ!!!!」

とリクは言った。それを聞いたルピは手を震わせながら握りしめた「私だって、、、私だって、、、

こんなところで夢を諦めたくない、、、でも現実は私の周りには、、、」ルピは今まで見てきたものを思い出していた、城で見たドロドロな現実、リクと出会うまでに見た弾圧に怯える街の人々、、、何もかもが楽園ではなかった、ルピの夢とは遠く離れていたものだった、、それを思い返すとルピの中でふつふつと燃える何かが湧き上がってきていた。

そんなルピにリクは言った


「ルピ、、一緒に夢かなえようよ」


しびれを切らしたアルカは「さっきからうるさいなぁ、もうここで殺してしまうか」

と言いながらリクに向けてビームを放とうとした

その時ルピは渾身の力を込めてアルカの右手を振り払った

ドガン!!!とビームはリクの横の床に当たった。

「何するの??君状況わかってるの??」とアルカはイライラして言った。

ルピは「状況ならわかってます!!今、私たちがとてもピンチなのもこの国の現状も、、、、でも「私は夢を諦めたくない!!!」」

と叫んだその時ピカァぁぁぁとさっき手を振り払った時に落ちた宝箱が光出したそして宝箱の上に古代文字が浮かんだ「最後の試練勇気を示せ、、合格!?」

とルピが読み上げた時宝箱からリボンが飛び出してきた!

「鍵となる渡来武器か!!ちっ想定外だが

変なことされる前にこいつも殺してしまうか!!」とアルカはルピに向かってビームを放った、、、、が

ばちぃん とルピの周りに貼られたバリアにビームが弾かれた「なにぃ!!???」とアルカは突然のことに驚きが隠せなかった。

「そうか!あの鍵と言われる渡来武器とらいぶきは補助系の武器だったのか!そして、今その所有者がルピちゃんになったんだ」とジャスタは言った。

「補助系!ってことは!!ルピ!俺たちに回復を」とリクは叫んだ。

「分かりました!リボンさん私の大切な仲間達に癒しを」

とルピは言った、「させるかぁぁぁ」とアルカはルピ達にビームを放つがルピ達の前にはられたバリアの前では全くもって通用しない。

その間に致命傷を負っていた2人は回復をして傷が全快した。「ルピこっちに!!」とリクがいうとルピはバリアに守られながらリクとジャスタの方に戻った。

「形勢逆転だな!アルカ!!」

とリクが言うとアルカは「くそっ!!」とかなり焦りながら

右手に力を溜め始めた「全快したのは良かったけどなんかやばくないか!?もしかしてあいつこの洞窟ごと俺たちにを破壊して埋めようとしてるんじゃ!?」とジャスタが焦りながら言った「ああ、きっとそうだろうな、、証拠隠滅ってやつか、だがルピ!ジャスタ!!力を合わせるぞ!!」とリクはそう言ってアルカに聞こえない様に作戦を2人に共有した。

「―――――――――だ!!」

「了解したぜ」「はい!」と2人は返事をすると

リクは剣を大剣に変えてアルカに切りかかった、

アルカは「馬鹿じゃねぇのか?俺はおまえの大剣を一度止めたんだぞ??」と言うがピュンピュンピュンという音が流れていることに気づくそしてパリィんと右手の宝石がジャスタの銃弾によって傷ついた、「なっ!?」とアルカは驚くと、アルカは右手から光が消えていった。そしてアルカは3人の狙いに気づく、、

「まさか、、、!!くそっ!!!」とアルカが叫ぶと

「やっぱりな、テメェの渡来武器とらいぶきはそのコアだな!大方ビームも俺の剣を受け止めたのもそのコアのおかげなんだろ??でもルピに手を振り払われたところを見ると対照に意識しないとその力は発揮されないらしいな!」とリクは斬りかかりながら言った。アルカは「その通りだよ!でもこのぐらいの傷じゃまだお前の大剣は受け止められる!」と言ったその時背中に激痛が走った!!

「な、なにぃ、!??」とアルカが、驚くと

「おいおい、弾丸はまだ俺のところを戻ってきちゃいないぜ?さっきテメェのコアを傷つけた弾丸がてめぇの背中に命中したのさ??安心しろ急所は外してやったからな」とジャスタは言った。

そして「はぁぁぁぁぁぁぁ」とリクが斬撃をアルカに向かって解き放つ「しまった、痛みで剣を受け止める意識が、、、、」とアルカが思った時


リクの斬撃がアルカを切り裂いた。






「ルピは本当にお人好しだな」とリクは言った

「流石にあのまま放っておいたらアルカさん死んでしまいます、、、」とルピはリクに返した。

あの後ルピの渡来武器(リボン)の力でアルカを抵抗できない程度回復してジャスタが何故か役に立つだろうと持っていた縄でアルカを縛り上げた上でコアを完全に破壊した、なおアルカの意識はまだ戻っていない。

3人は洞窟の入り口まで戻っていた。


「これからどうするんだ??」とジャスタはリクとルピに尋ねた、「俺は鍵の情報集めるのにしばらく同じように宝物ハンターやるよ今回みたいに思わぬ収穫があるかもだしな」

とリクはちょっと嬉しそうに答えた

「そうか、俺はとりあえずこいつを憲兵に引き渡すよ」とジャスタはアルカを縛っている縄を引っ張って見せた。



「私は、、、、」



ルピは答えに困った。

そんなルピを見てリクは「なぁ、ルピ、俺の助手にならないか??」と言った。「えっ、、、!」ルピは思わぬ言葉に驚いた。「いや、これから壁を壊す鍵を探すのにルピの回復の力必要だとおもうだ、、、、ダメかな、、、、、??」

とリクは少し弱々しく言った。

ルピはその言葉に対して笑顔で


「よろしくお願いします!リクさん!」と答えた。


「ほ、ほ、本当か!やった!!」とリクは柄にもなく喜んだ。


「全く甘酸っぱいねぇ」とジャスタはつぶやいた。


「よぉし!ルピも助手になってくれたし!あの壁ぶっ壊してその先の楽園を見るぞ!!!」とリクは元気一杯に荒野に向かって叫んだ。

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