EX.勇者
僕たちが王国に召喚されてから50年と少しが経った。50年間魔王を倒すために修行をしながら生活環境を改善していた。衣服や食事の種類を多くしたり、家の造りや家具の改善などをしていた。しかし、クラスメイト全員が残っているわけでは無かった。1人は元々いなかったし2人は魔物との闘いで死んでしまった。もう1人は・・・「なんで1人だけいないの?探さなきゃ・・。」みたいなこと言って出て行ってしまった。意味が分からない。
「勇気君。そんな難しい顔をしてどうしたの?」
「いや、ちょっと考え事をしていただけだよ。優香。何か用かな?」
彼女は福委員長だった女子だ。こちらの世界でも委員長だった僕の補佐をしてくれている。
「うん。王様が呼んでるよ。」
「そうか、わかった。ありがとう。」
王様は何の用だろう?・・・。結局元の世界に帰る方法のことは、まだ誰にも話せていない。そのせいで焦ってしまって、あまり冷静に判断ができない。せめて相談できる人がいれば・・・。
そんなことを考えていたら謁見の間についていた。
「只今参りました。何のご用件でしょうか?」
「よくぞ参られた勇者殿。1つ提案があるのだが、修行の一貫としてモルデニア共和国に遠征に行ってみてはどうだろうか。最近魔物が活発化しておるようでな。」
「遠征ですか・・・。少し仲間と話してもいいでしょうか?」
「ああ。当然だ。明日の朝に返事を聞けるだろうか?」
「はい、わかりました。」
確かに他の地域の魔物と戦うのはいいかもしれないな。とりあえずみんなの意見を聞かないとな。
「いいと思うよ?他の国見たことないから観光もしたいし。」
「「「大賛成!獣耳触りたーい!」」」
「今までと違う魔物とも戦いたいから俺も賛成だ。」
途中変なのが混ざったが皆賛成のようだ。
「よし。じゃあ遠征には行くということで決定。皆準備しておいてくれ。」
「「「「「はーい」」」」」
僕も準備をして寝よう。
翌朝、謁見の間。
「では、遠征に行くということで良いのだな?」
「はい。仲間も賛成だったので、行かせて頂きます。」
「わかった。モルテリア共和国には私が連絡をしておく。出立は3日後だ。」
「了解しました。」
謁見の間を出て廊下を歩いていると・・・
「お久しぶりです、勇気様。」
「ああ、アメリア久しぶり。帰って来てたんだ。」
「はい、つい先ほど。」
彼女はアメリア・シーラ・ルーナ。僕たちがこっちにきて30年目に生まれたこの国の王女だ。つい最近までウィーン帝国へ仕事に行っていた。
「そういえばさっきモルテリア共和国への遠征が決まったんだ。3日後にここをでるよ。」
「そうですか。私にもなにかっできればいいのですが・・・。どうぞお気を付けて」
「ああ、ありがとう。アメリアも仕事がんばってね」
さあ、頑張ろう!
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