EX.勇者 神条勇気

僕の名前は神条勇気しんじょうゆうき。今は教室でクラスメイトと雑談している。・・いや、いた。


『突然で申し訳ありません。私はあなた方の言うところの神です。』


・・・え?なんだこれは!教室じゃない?クラスメイトもいる。すると・・・


「おい!何だよこれ!」


1人が叫んだのを皮切りに他の皆も騒ぎ出す。・・・ん?なんかあの辺りの人、皆とは違う意味で興奮してる?


『あなた方にはこれから異世界に行ってもらいます。その異世界の名はグリムガル。そしてあなた方が召喚された国はルーナ王国。ルーナ王国はグリムガルで2番目に大きい国です。そこにあなた方は勇者や聖女、戦士などとして召喚されます。世界や国の内情などは後ほど。さて何か質問は?』


質問も何も状況の理解もできていないのに話だけ進んで行く。それは他の皆も同じようでずっと叫んでいる。しかし・・・


『ふむ。質問の類はないようですね。』


本当に無かったのかは分からないがたぶん無かったんだろうな・・・神って言ってたし。


『それではあなた方の適正職業を調べたいと思います。』


職業?さっきの勇者とか聖女とか言ってたやつかな?教室にいたときのように部屋が光る。そして部屋が変わった先にいたのは人型の光と向かい合った席。


『どうぞお座りください。』


とりあえず従うしかないだろう。


『では。この状況が全くわかっていないようなので職業の種類から話します。』

「ちょっと待ってください。わかっている人がいるんですか?」

『ええ。ただそれに関しては向こうにいってから同じクラスの方に聞いてください』

「?」

『では、職業の説明をします。職業には勇者、聖女、戦士、魔法使い、などがあります。私も全てを把握しているわけではありません。そして1人につき2~4つの適正がありその中から選んでいただきます。・・ただ今回あなたしか勇者の適正持ちがいなかったので、強制的に勇者となります。』


勇者って言われても何をすればいいのか分からないぞ?


『勇者は転移したもの、そちらで言うところのクラスメイトをまとめ、魔王を倒す者のことです。」

「なっ・・・!」


口に出してた?


『すみません。驚かせてしまいましたね。私は心が読めます。』

「そ、そうですか。」

『では、勇者として頑張ってください。」

「1つ質問させてください。僕たちは元の世界に帰れるのでしょうか?」

『・・・。勇者には話してもいいでしょう。これは1部の者しか知らない情報で、王国でも知っているのは国王とそれに近しいものだけです。王国に入ったときに魔王は1体でまた、帰ることはできないと言われます。しかし、それは間違いで魔王は複数おり、勇者が魔王を合計で5体倒すと自動的に送還されます。」


5体?でも・・・


「魔王って強い人のことですよね?」

『ええ。でもしっかり修行すれば勝てると思いますよ?それからこのことを、無暗に話さないほうがいいでしょう。混乱すると思うので。それでは頑張ってください』

「そんな!無責・・・」


こうして僕たちのクラスは異世界に送られた。

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