第10話 IOST(暗号通貨)への投資が始まった。

僕は少しだけ暗号通貨(当時は仮想通貨と呼ばれていた)で、夢をみたことがある。

ビットコインを150万円で購入し、それが2,000万円になった。


僕は完全に調子に乗り、あと数日で億り人に慣れると思い、

いい気になって後輩や同期にランチや飲み会を奢っていた。


しかし、良い時期は長くは続かない。

その暴飲暴食代のクレジットカード明細が届くことに、コインチェック問題が出て、

みるみるうちに僕の資産は減り、80万円になったところで、損切りをした。


1850万円の利益どころか、70万円のマイナス。

そして、数万円の食事代が遅れて請求されたのだった。


70万円のマイナスで、2000万円の夢を見れた僕は幸せだったのか、不幸せだったのか分からないが、数字で言ってしまえば損をしたことは確かだった。


しかし、もう一度コインバブルが来た。

その時、僕は素直にもう一度、ビットコインを買えばいいのに、なぜかちょっと違うコインを買いたくなり、IOSTという仮想通貨を購入した。


臨時給付金の10万円は泡銭。

派手に使ってみようと、全額を投資した。


その10万円は、コロナが収束して、つまらない毎日になった時に、パーっと使おうと目論んでいた。


もちろん。上がった時期はあった。

10万円が最大70万円になっていた。

その時に大人しく利確していればよかった。


本当に僕という人間は成長しない。


利確のタイミングを完全に見間違え、、、

本日現在で投資した10万円は2万円ほどになっていた。


同じ時期に積み立てNISAとしてS&P500に投資をした娘のNISA分は、堅調な成長をいせ、25万円くらいになっている。


2年前に妻が僕に話した「あなたのは投資じゃなくて、投機だ」の一言が胸に沁みる。


やはり、手数料が安くて、信頼できるインデックスファンドに大人しく積み立てるのが一番の正解なのだろう。

そんなことは十二分にわかっている。


でも時折夢を見てしまう。

その度に、僕は夢を追って、儚くも敗れ去り傷を増やしていく。


最後の自制心か、借金して買い増さないことと銀行強盗をしたことがないことが僕の自慢だ。


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