第16話 君と歩く、遠足。
入園式から2ヶ月が経ち、6月となった。
この幼稚園では、毎年6月に組別で遠足に行くことになっている。
「れいちゃん、いってらっしゃい!」
「うん、いってきます!」
そして、俺は母親に遠足のために幼稚園に送ってもらっていた。
幼稚園についてすぐ
「れいじくーん!!」
優子がダッシュで俺のそばまで来た。
「おはよう、ゆうこちゃん。」
「おはよー!」
そう言って、俺の腕に抱きつく優子。
控えめに言って、超かわいい‥‥これでも足りないかな。
このやり取りも、この2ヶ月間で毎日行っていた。そして、優子が腕を離すことは基本ない。
‥‥おかしいよな、まぁ、母さんとか他の先生も慣れすぎちゃって、最早、何も言わなくなったけど。
そうこうしていると、俺と優子に話しかける2つの声が聞こえる。
「「おはよう!!」」
福沢亜衣ちゃんと内藤祐樹くんだ。
祐樹はこちらに来ると
「ゆうこちゃん!おはよう!!」
と、これでもかというような大きな声で話す。
だが、優子は
「うん、おはよう。‥‥それより、れいじくんは、朝ごはん、なにたべたの?」
と、返事はするもののすぐに、俺に話しかける。しかも、その間も俺の腕からは離れることはなかった。
(‥‥可哀想過ぎる。)
それよりって、絶対言っちゃダメだろ。
そして、俺と優子を祐樹くんは見て、嫌そうにする。
‥‥当たり前だよなぁ。まぁ、優子を渡すつもりはないけど。
だが、そんな祐樹くんを見て、悲しそうにする女の子が1人、亜衣ちゃんだ。
これで、分かったと思うけど、
亜衣ちゃん→祐樹くん→優子→←俺
という、とても複雑な四角関係が出来てしまった‥‥。
(祐樹くんの好意が亜衣ちゃんに向けば万事解決な気がするけど‥‥。)
まぁ、無理だよな。この歳の子が諦めるとか、なかなかないと思うし。
俺は色んな意味でドキドキを味わっていると、
「じゃあ、ヒヨコ組のみんなー!バスに乗ってーー!」
という、30代後半と思われる俺の担任、由美子先生が大きな声をだしながら、みんなを先導する。
(慣れてるなぁ)
由美子先生はこういうことに慣れているのか、いつもぐずってしまう子も素直に従っていた。
‥‥誰だよ、由美子先生をおばさん扱いをした奴は——まぁ、そういうこともあるよな。
俺は自分のことを棚に上げながら、ドキドキな遠足が始まった。
お久しぶりです!
ちょっと読む方にハマってたら約3週間投稿してませんでした。
自分でもビックリです。
また、投稿していくので、コメントなどをしていただけると嬉ししいです!!
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