第9話 お隣のお家。②

「……。」


「ねぇ、ねぇ、なんで

だまったままなの?」(小声)


そんなの怖い以外にないよ……。

なんで、幼稚園児なのに、こんなに圧が出るんだよ…。


「はやく、こたえて。」

「ええと、ようちえんで……」


答える前に

「……かわいかったの!?」

と、小声ながら圧のある声で杏奈ちゃんが

詰め寄ってくる。


詰め寄ったからなのか、

母さんと杏奈の母親の福川柚子さんが、ほぼ同時に

「「そんなにくっついて仲良しねぇ!」」


だが、俺と杏奈ちゃんの間に割って入った

人物が1人、杏奈ちゃんの二歳上のお兄ちゃん、福川正くんだ。

……俺は彼がどちらかと言えば、嫌いだ。


(彼は、俺から優子を奪った男だ……。)

今更、恨みもないし、俺に魅力が、なかったのも事実だ……。


でも、昨日見た優子を思い出すと……、

ダメだこんな幼稚園児を睨んだって、何にもならない。


それでも、睨んでしまった。

……俺、何歳だっけ?


だが、睨んでいたのは、俺だけではなく、

正くんも、睨んでいた。

どうして、君が睨むんだ?

意味が分からない。

睨むのは俺だけ……じゃないのか?


そうこうしていると、父さん達が話し始めて、夕方頃には、お開きとなった。


終わり際、正くんから

「妹に近づくな……!」

と、かなり怒った声で囁かれた。


……俺、やっぱり何かやっちゃたか?

妹に近づくな…か。

そんな彼も小さいからかわいく見える。

やっぱ俺はロリ(4回目)




そして、翌日、幼稚園に着くと、すぐに優子がダッシュで近づいて来て、ギュッと俺に抱きついた。


え、え!何このご褒美!


「ねぇ、れいちゃん、きのう、

あってた、女の子ってだ〜れ?」


優子の可愛さで忘れていたが、優子も愛の深い子だった。


……でも、そこが良いだよなぁ〜。







玲司は杏奈がヤンデレ化した時、少し面倒くさそうでしたが、

優子の時はうれしそうでした。

そういうことです。

後、次は親達の会話を投稿します。






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