第40話 勇者と第一歩

>> ゴルファ


やった。

やったぞ。


ローにドン引きされたのはアレだったが。

まあ、時間が解決するだろう。


それより。


エステルちゃんが取られた時から計画していた。

奴隷ハーレム計画。

その第一号として、そこそこ美人で、そこそこの地位というのは、実に順風満帆だ。


しかも、この娘は、あのサンドラちゃんとも友人だという。

俺の、もう1人の未来の嫁。

サンドラちゃんとの重要な接点になるかもしれない。


熱に浮かされ、息が荒い美女。

エドラちゃんを、ベッドへと寝かせ。


「早く……」


うなされたように呟くと、自ら、服をはだけ出す。

これだよ。

これでこそ、異世界転生のチートの王道。


普段極力抑えている魅了を、解放。

更に部屋に充満していくのが分かる。


ごくり


生唾を、飲み込んだ。


--


>> ゴルファ


翌日。

猫の様に顔をすりつけるエドラを連れ、居間へと降りる。


……うわあ、すげー敵意。

読心魔法を使う必要すらない、というか、使いたくない。


「エドラという人格は、死んだ。今は、俺の忠実な奴隷がいるだけだ」


「はぃ、ご主人様ぁ。エドラは、ご主人様といられて、幸せです」


「だがこれはエドラちゃん自身が望んだ事だそれだけ勇者の力は貴重だという事だ異世界人は優れた力には膨大な対価を払うべきで無償で助けて貰えるとかいうのは虫が良すぎるというか酷い話でむしろこれは当然の結果というか」


やばい。

必死に主張しても、どんどん室内の気温が下がっていく気がする。


ぴし


訂正。

エステルちゃんの無意識魔法が発動して、部屋の温度が零下になっている。


「……妊娠はさせてない。勇者の超超強力な避妊魔法をかけてあるからな。預言ザ・ワーズを違える訳にはいかんしな」


まずはサンドラちゃんの子供が生まれてからね?


「と、とにかく、行ってくる」


くそ……

正当な取引の結果の筈なのに。

親友の視線が痛すぎる!


俺は、飛行魔法を発動させると、超音速で飛び上がった。

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