第30話 商人の終焉
>> サーラ
朝から、目まぐるしく時間が過ぎました。
友人や家族を心配させない為、笑顔を顔に貼り付け続け。
もっとも、上手くいった自信はないのですが。
私は、ラスムスの妻となりました。
自らの名を、失いました。
家族を守るため。
友人を守るため。
これからは自分を殺し、ラスムスに気に入られる事、それだけを目的として、生き続けなければなりません。
美味しい料理を食べ。
心地良いお風呂に入り。
芳しい香草の香りを身に纏い。
肌も顕わな薄手の服を身につけ。
そして。
ラスムスが入ってきました。
「おお……流石、サーラちゃん。一段と美しい……ようやく、儂の夢が叶う……君が、この家に来てくれた」
「……はい、末永くよろしくお願いします」
ラスムスが、無遠慮に、腰に手を回し。
耳元で囁く。
「今夜は、記念すべき日だ。安心して良い。全て、儂に任せておけば良い」
部屋が、薄暗くなる。
ふかふかのベッドに押し倒され──
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます