第7話
夏休みだと言うのに、駅まで行くためのバスには行列が出来ていた。
「すごい混んでるね。」
「夏休みだってのに暇なやつは多いもんだな。」
「私らも人のこと言えないじゃん!」
その通りである。大学生なんてものはせいぜい社会人になるまでの暇つぶしみたいなものだ。照りつける太陽とは裏腹にそんな陰湿なことを考えていると次のバスが来てようやく乗れそうだ。
「暑かったりもするけどこういう時間好きだな。」
それも全く同意である。無為な時間を過ごしながらも、あとで振り返るとそれがどれほど有為であったかを知るのであろう。何かを悟ったように考えるがそこまで利口ではない。大人しくバスに乗り込むことにしよう。
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