太陽の影*2*Side:He

沢山の人が、応援してくれる。


自分の色のサイリウムが揺れていると、

想いを返してあげたくなる。


うちわに想いが記されているなら

それに応えてあげたい。



だから、「大好きだよ」

「愛してるよ」と、

マイク越しに皆に伝えるんだ。


指を差して、ちゃんと見てるよって、

微笑んで見せるんだ。


嘘じゃないけど、嘘の塊。

僕が、僕であって僕ではないこの瞬間。



時々、これでいいのかなって思うよ。

本当に、これは幸せなんだろうかって。



偽りの言葉。

偽りの愛。

偽りの僕。



そんな僕を好きだと言ってくれるけれど。

でもそれは、

本当の想いじゃないと思うんだ。


だから、泣かないで。


「またね」

なんて無責任な約束だろう。


「会いに来てね」

本当は、来ない方がいいんだ。


ふとした時に、悲しくなる。


これだけ大勢の人がいて

そこに、真実がない事に。


それがわかっているのに、

それでも、皆がこうして来てくれることが

嬉しいと思う自分に。



ごめんね。やっぱり好きなんだ。

此処に立つボクが。

そんなボクを愛してくれる、皆が。

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