太陽の影*1*Side:She

眩しい。

眩しすぎて直視できない。


本当に、同じ人間なのか。



暗闇に揺れる何万灯のサイリウム。

その中央で、この会場の空気全てを染めて

自分の世界を魅せる人影。


奪われる。

視線も、心も何もかも。



微笑む度に、

憂いたような表情を見せる度に

引きずり込まれて、溺れていく。



ああ、終わらないで。

この時が、永遠に続けばいいのにと思う。



「またね」なんて言わないで。

「会いに来てね」なんて、優しい声で。


そうしたい、私だって。でも。



確約されない逢瀬。

時々虚しくなる時がある。



心から、貴方を好きで幸せだと思えない自分がいる。


越えてはいけないライン。

きっと、越えてしまった。


貴方が皆に平等に向ける言葉を、

私だけに言ってほしいと思ってしまったの。



ごめんね。


推しの貴方に、恋をしてしまったみたい。

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