親戚の家……?

家に帰ると何やら物音が騒がしい。玄関にはスーツケースやらリュックやら大きな荷物が無雑作に置かれていた。ここで、僕は生まれた時から一緒にいる大親友である脳に疑問をぶつけてみる。

(スーツケース?夏休みに旅行する予定あったっけ?)と。

大親友からの返事は(NO……)だった。


「お母さーん、この荷物なにー?旅行行くなんてきいてないよ?」


「旅行なんていういいものじゃないわよ。母さんとお父さんはね、出張しなくちゃいけなくなったのよ。」


「そうなんだ。ごめんな柊。だから、父さんたち2週間くらい家けるから、柊は親戚の家に預けることになったんだ。」


「親戚の家?」嫌な予感がした。


「あら?覚えてないの?小さい頃行ったじゃない。小さい頃あんた、近くの神社によく遊びに行ってたじゃない。」


「あ、あぁー。あそこね……」

僕はあまり乗り気じゃなかった。なぜなら、そこであまり思い出したくないことが小さい頃あったからだ。






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