第15話
「はぁ⋯⋯なぜ私はあんなことを⋯⋯」
昨日、善一くんを無視したことを私はいまだに引きずっていた。
ファミレスで雫と遥華に相談していたものの、結局不安を拭いきれず寝ることもできなかった。
一時の感情に任せてあんな行動を取るんじゃなかった⋯⋯。
今日は善一くんから断りの連絡すらなかったし⋯⋯。
「⋯⋯謝らないと」
あの純粋で人畜無害な自称不良・善一くん相手に無視は良くない。
というか、なんで善一くんは私を避け始めてるんだろう⋯⋯
「はぁ⋯⋯」
1人での下校になって1週間になるが未だに慣れない。
やっぱり隣に善一くんがいてくれないと寂しい。
♢
「———白瀬、もう帰ったよな⋯⋯」
廊下から白瀬の教室を覗いたが白瀬の姿はもう無かった。
とりあえず、いつも通りの道を走ってれば追いつけるよな。
優斗曰く、白瀬の恋愛事情は気にしないでこれまで通り一緒にいても大丈夫ということを聞いてどうにか吹っ切れた。
やっぱ白瀬をいじめてないとつまんないし。
こう考えると、やっぱり俺は根っからの不良なんだなあ。
「——って、いやいや、まず謝らないとな」
——って、いや待てよ? そもそもいじめられっ子に謝る不良なんているか?
ここは謝らないで偉そうにしておくべきか?
⋯⋯まあでも、いつも登下校を共にしていたのに、それを1週間ほど断っていたのだから謝るのが礼儀というものだ。
母ちゃんもありがとうとごめんなさいは言えるようになりなさいって言ってたし。
「とりあえず、白瀬に会わないことには変わりないよな」
俺は白瀬に会うべく、2人でいつも歩いていた通学路を走った。
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なにとぞ高評価を〜。
あと今回短くてすみません。
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