第8話
冬休み明けの登校日。
この日は始業式しか予定がないので午前中で学校は終わった。
「なあ、なんでお前らって付き合ってないの?」
ホームルームが終わり、教室で携帯をいじって暇つぶしをしていると友人の源川優斗(みながわゆうと)が何気なくそうボヤいた。
「お前らって、誰と誰のことを言ってんだ?」
「お前と白瀬だよ。いつもイチャついてるだろ」
「どこがイチャついてんだよ。俺はあいつのことをイジメて———」
「まだその設定引きずってんのかよ」
「いや設定って⋯⋯」
設定もなにも俺は大真面目なのだが⋯⋯。
俺は未だに兄ちゃんのような不良になりたいと思っている。
⋯⋯気付いたら県内でも割と良い方の進学校に来てしまっているが。
「例の件で周りもお前らの交際を疑ってる奴らもいるし、この際付き合っちゃえよ」
「ああ、アレか⋯⋯」
登校中、昇降口前で白瀬が何故か俺の腕に抱きついてきたあの事件。
噂は広まりに広まって俺はしばらく男子たちから睨まれる生活をしていた。
いや、今でも睨まれる時はあるけど⋯⋯。
結局、白瀬はなんであんなことしたんだよ⋯⋯。
「白瀬さんも大変なんだろうなあ」
「何言ってんだ。大変だったのは俺の方だろ」
「鈍感すぎるお前が悪いんだよ」
「はぁ?」
優斗や白瀬にはよく鈍感鈍感言われるが何が鈍感なのかわからない。
察してほしいなら口に出してほしいものだが。
「おっ、噂をすれば。迎えに来たぞお前の彼女が」
「ん? ああ、ほんとだ。俺のいじめられっ子が来たな」
「そこはどうしても譲れないんだな⋯⋯」
教室の扉前でこちらを眺めて凛と立つ白瀬がいた。
なんであんな風に立ってるだけで絵になるんだろう⋯⋯。
「じゃあな〜」という優斗の挨拶を後にして、俺は白瀬の方へと駆け足で行った。
「よし、帰るか白瀬」
「はいっ」
満点の笑みを浮かべる白瀬。
教室中の男子たちからの視線を感じるが⋯⋯まあ放っておこう。
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この話からはなろうには掲載されてない内容となります。
伸びたら続き描こうかなって思ってます、、、
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