第2話 レッドを押しつけられた!?
ヴィラン達3人はかつて魔王を討伐した革命軍事戦隊の科学者だったベルに助けられた。
「こりないでありますな魔人族は」
いやアンタも魔人族だろ!!
「で、ベルゼブブ博士。僕達を何処へ?」
ヴィラン達はベルに連れられて茂みの奥へ向かっている。
「ベルゼブブ博士は嫌であります。ベル博士と呼ぶであります!」
「じゃあ、ベルさんよ俺たちは一様アンタの国を叩こうとしてる魔王軍の一員なのわかってんすか?」
ハヤウェイがそう言う。
「見りゃ判るでありますよ。私が昔いた頃の雑魚兵の戦闘服でありますし」
「雑魚兵言うな!!」
「くーん!」
「こいつ邪魔だな…」
ヴィランの足元に擦り寄るウルフィ。
「ウルフィが懐くなんて君は悪人にはなれないで有りますね。名前は悪人(ヴィラン)なのに」
くすくす笑うべる。
「好きでこんな名前になったんじゃねーよ!」
「ゴロゴロ」
「擦り寄るなっ!!」
ヴィランはウルフィを持ち上げるとベルに押し付けると先に進む。
「オイ、ヴィラン!!」
「全く相変わらず動物嫌いなんだから」
「嫌いだったの?動物?」
「飼っていたペットを昔、軍の研究者に実験材料にされて怪物になり射殺されたんです」
「!?」
べは息を飲む。
「魔界じゃ結構最近じゃありがちな実験なのに」
「そうでありますか」
「何くっちゃべってんだ!!ていうか何処へ向かってんだよ!」
「ついたでありますよ」
「は?」
ベルは白衣からリモコンを取り出すとボタンを押すとヴィランの地面に穴が開く。
「うわぁーーーーーまたかーーーー!?」
ヴィランは落ちた。
「あらま」
「ついてないんだから…」
「ほら、行くでありますよ!」
ベルは穴へ飛び込み2人も後に続く。
長いトンネルをくぐり抜けるとヴィランは頭から地面とキッスした。
「いてて…」
「大丈夫か?」
後に続く2人はヴィランに肩を貸して立たせた。
「博士ここは?」
「ふふふ、であります。ようこそ!我ラボへ!」
照明がつくと広い空間に何やらプレハブ小屋の様な体育館の様な作りの奇妙な空間だ。
奇妙な機械で溢れていて真ん中の機械の光の中に何やらぷかぷかベルトみたいな物が浮かんでいた。
「あ、ベルちゃん!」
誰かがベルの名を呼ぶ。
「イッチーおっすであります!」
「何がオッスですか!!ガネットが魔王軍に襲われている時に何処へ行っていたんですか!?」
「ウルフィを探していたんでありますよ」
「テラクリスタル獣が!?また、アイツがいざこざ起こして逃げ出したのね!」
「いざこざとは失礼だな。」
奥からいかにもチャラそうな見た目のピアスをつけた垂れ耳の亜人族が歩いてきた。
亜人族はこの異世界にいる住人の1人でかつては奴隷として扱われていた種族だ。
「シューケン、アンタまじでやる気あるわけ!?」
「あるに決まってんだろ!テラクリスタル獣とシンクロ出来るのは俺だけなんだし。」
「きぃぃぃムカつく!!」
イッチーと呼ばれた女の人が大声を上げた。
「で、こいつらは?」
「あ、この子達は魔王ぐ…」
ドッカーン!!
「うわぁ!?」
爆破音と共に空間が揺れた。
「何ごと!?」
ベルはコンソールをいじると光の画面が現れ映し出されのはヘドロと骨混じりの怪物とシュラウド将軍である。
「魔王軍の幹部!?ここにまで!!」
「よっしゃ!出番だな!」
シューケンはそう言うと中央の機械から浮遊しているベルトを取ると走り出す。
「あ、こら!訓練無しに勝手に使うんじゃない!!」
「イチカは心配性だな。俺は選ばれたんだぞ。訓練なんか必要ないね!」
「馬鹿ね!アンタそんなだからテラクリスタル獣と仲良くできないのよ!!」
「シンクロ出来るんだ、問題ないだろ!サクッと片付けてくるわ!カムバック!」
シューケンがそう言うとウルフィがベルトに吸い込まれた。
そしてシューケンはエレベーターに乗り込んだ。
「あ、シューケン!!アーもうっ!!」
「何か場違いだな俺たち…」
「将軍が何でわざわざ?」
「確かにしかもこの辺りは兵士達に命令していない地区。アレは上等兵だし」
確かに将軍が上等兵と怪人を連れ出して何でこんな外れにいるんだ?
「博士、テラドライバーは大丈夫なんですか?」
「う〜ん…まだ微調整終わってない上に今のシューケンじゃウルフィとシンクロなんか無理でありますね」
「大変!?止めないと!!」
イチカは慌てて跡を追う。
「あ、イッチー!!もう、私達も行くでありますよ!!」
「え?私達?」
「君達も来るであります!」
3人はベルに押されて無理やりエレベーターへ放り込まれた。
エレベーターは凄い勢いで上がり4人は投げ出された。
「あいた。たく、こんなばっかりかよ」
ヴィラン達の目の前で今まさにシューケンが正義のヒーローになろうとしていた。
「まちなお前ら!」
「あん?何だお前は?」
やばい!?将軍だ!!
ヴィラン達はベル共々引き込んで茂みに飛び込んだ。
「何でありますか?」
「俺たちのボスです!!」
「えーー!?」
「しーーー!!」
ベルは両手を塞ぐ。
「これ以上お前達に好き勝手はさせないぜ!」
「あん?馬鹿か貴様は?人間風情が魔王軍の鬼将軍の俺に勝てる訳ないだろ?」
「ほざけ!こっちにはこれがある!」
シューケンは持ち出したベルトを装着した。
「は?何だその玩具は?」
「驚くなよ!」
シューケンはそう言うと両側のボタンを押す。
すると、ベルトのバックルが少し傾く。
「あーー!まずい!!」
ベルほ声を上げた。
「変身!」
シューケンはそう言うとベルトを時計回りに回転させる。
「ぎゃあぁぁぁぁーーーーー!!」
シューケンは突然電流を浴びた。
そして黒焦げになり倒れた。
「あちゃ〜!だから止めたのに…」
イチカは遅かったかと言う感じだ。
「あはははは!馬鹿な前座にしては面白かったぞ。やってしまえ!!」
「はい!」
怪人は右腕からビームを放ちシューケンにモロに当たりシューケンは吹っ飛ばされヴィラン達の元まで飛んできた。
「ぐは!」
「だ、大丈夫っすか?」
シューケンは立ち上がるとベルトを外してヴィランにそのベルトを押しつけた。
「え?」
「すまん!俺は急用を思い出した!後は任せたぞ少年!さらばだ!」
シューケンはそう言うと逃げだした。
「はぁ?」
「ふざけんなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
イチカは声を上げる。
「ん?誰かいるのか?」
やばい見つかった!?
「どうする?」
「見つかったら俺たち裏切り者だぞ!!」
「何で?」
「敵と居ればそうなるだろ馬鹿!!」
マルスが声をあげた。
「ヤバいじゃねーか!!ヴィランなんとか誤魔化せ!!」
「無理無理無理!」
「かくなる上は!」
イチカはヴィランからベルトを取り上げて巻きつけた。
「ちょ、いっちー駄目!!」
イチカは走りながらボタンを押しベルトを回す。
「変身!」
しかしベルトはまたもエラーを起こしてイチカも電流を浴びた。
「きゃあぁぁぁーー!」
拍子にベルトは外れてヴィランに巻きついた。
「イッチーはシンクロ出来ないでしょ!」
「じゃあどうするんですか!?見つかったらまずいでしょ!」
「そこか!」
怪人は茂みにビームを放つ。
茂みは爆発しマルスとハヤウェイが飛び出してしまう。
「ん?お前達は?」
「あ、えーと将軍お疲れ様です!」
「です!」
「貴様ら、なぜ此処にいる?」
「えーと…」
「実は仲間が敵の秘密兵器を見つけたのであります!」
「秘密兵器だと?」
「は、はい!」
おい、何言ってんだよ?!
仕方ないだろ!!
「何処だその秘密兵器とやらは?」
「あ、あの先の建物です!」
「ほぉ?良かろう案内しろ!」
「「は、はい」」
2人はシュラウドと怪人を森の奥まで連れて行く。
「マルス、ハヤウェイ」
残されたヴィラン。
まずい、あのままだとシュラウド将軍に間違いなく始末されちまう。何とかあの2人の嘘を本当にしないと。
「くぅぅん」
ベルトから声が聞こえてくる。
「ウルフィの声?」
「もしかして…君ベルトのスイッチを入れてみて!」
イチカに言われたヴィランは両側のスイッチを押す。
ベルトは傾き始めると真ん中の窪みから赤いオオカミが飛び出しヴィランに何かを吐き出す。
それはオオカミのシルエットが書かれたエンブレムだった。
「な、何だこれ?」
「イッチーまさか!?」
「テラドライバーにテラエンブレムをはめ込んで時計回りにベルトを回転させて、変身して!」
ヴィランは言われた通りにエンブレムを嵌め込むと赤いオオカミのエネルギー体が飛び出し辺りを走り回ると音楽が流れて来た。
ブルルルン、ブルルルン!ザ、バイク!ウルフ!×2
「さあ、回して変身であります!」
「は……?あーもう!!変身!!」
ヴィランは声を上げるとベルトをに回転させる。
ヒーローアップ!
「あおぉぉぉーーん!」
赤いオオカミは雄叫びを上げるとヴィランに飛び込むとヴィランが光だし体から電流が弾け武装が形成され始める。
そして一気に身体に飛び込んだ武装から布が伸びて身体にフィットしスーツが出来上がると最後にマスクが現れ勢いよくヴィランの頭に収まる。
「やったであります!!」
ヴィランは赤いスーツに軽装のライトアーマとテラドライバーを身につけマスクはオオカミを模したヒーローに変身した。
雑魚兵士が初陣したその日に正義の味方のレッドを押しつけられ二重生活をしなくちゃならなくなった。 桐生連 @yusuke0907
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