第三十六話 第一回わくわくドキドキ別荘旅行~夏の陣~
(なんだか緊張してきたな)
いよいよ、第一回わくわくドキドキ別荘旅行~夏の陣~が始まる八月一日。
第一回っていう事は第二回があるの?とか、このネーミングは誰がつけたの?とか気になる点はいろいろあるが、そんなことは今はどうでもいい。
そんなことより、考えることが多いのだ。
大体、なんで仲のいいお友達たちとの旅行をこんな気持ちで迎えなければならないのだろうか。
もはや、仲の良くないお友達までいる始末。
蓮の別荘までは、蓮の家の人が送っていってくれる。
そのため、俺は現在蓮の家に向かっているところだ。
(足が重い)
蓮の家が近づくにつれ、行くのが嫌になってきた。
だが、不思議なことに歩いていれば進んでしまうもので、蓮のでかい家の前まで来てしまった。
どうして神は、地球の重力をこんなに軽くしてしまったのだろう。
とりあえず、敷地内に入る。
玄関まで歩いていき、チャイムを押す。
「はい」
そう言って出てきたのは、篠崎さんだった。
(あぁ、もう帰りたい)
しばらくの沈黙があった後。実際は数秒だろうが、
「どうぞ」
そう言って、篠崎さんは部屋に通してくれた。
篠崎さんは、気まずくないのだろうか。
以前は、表情がないと思っていたが、やっぱり表情があると思っていたが、やっぱり表情がない。
(何を考えているんだ俺は)
とにかく、今篠崎さんが何を考えているのか全く分からなかった。
リビングまで歩いていくと、俺以外のメンバーはすでに到着していた。
「おはよーりんりん」
「おせーぞ、凛」
「おはよー一ノ瀬君」
{おはよう}
唯、杉山、委員長が声をかけてきた。
「よし、みんな揃ったね。じゃあ、そろそろ行こうか」
そして、俺たちは別荘に行くために蓮の家の車にそれぞれ乗り込んだ。
これだけの人数と荷物を一度に運べるでかい車が一般家庭にあるものだろうか。
まぁ蓮の家を一般家庭に分類するかは諸説あるが。
「なぁ、蓮。だれが運転してくれるんだ?」
「あぁ、それはうちの爺やが送ってくるってさ」
「爺や!」
まぁ、メイドがいれば、爺やもいるだろう。
「予定は細かくは決めてないんだけど、向こうに行ってから決める感じでいいかな?」
「「「はーい」」」
蓮が提案し、みんなが答えた。
「なぁ、暇だしみんなでUNOやろうぜ」
「車の中で、どうやってやんのよ」
「私お菓子持ってきたよー」
「あ、私食べたーい」
「じゃあ、みんなでクウェペナやろーぜ」
「クウェ、、、なに?」
「杉山君、それ屋外の遊びだよ」
「知ってるの!?」
皆楽しそうである。
俺と篠崎さんを除いて。
「篠崎さん、委員長がお菓子くれたんだけど食べない?」
「ありがとうございます。いただきます」
「ふーちゃん!これおいしくない?」
「はい。とてもおいしいです」
皆楽しそうである。
俺を除いて。
「あの、一ノ瀬君も食べる?」
隣に座っていた、委員長がお菓子を差し出してくれた。
俺は会話に混ざれないので、こういう場面ではどうしても少し浮いてしまう。
{ありがとう}
気を使わせてしまっただろうか。
「どう?これ、結構お気に入りなんだけど」
{うん。おいしいよ}
「そっか。良かった」
こうして委員長とちゃんと話したのは何気に初めてかもしれない。
「じゃあみんなで、ポックチャップやろうぜ」
「だから分かんないのよ」
なんだかんだ、俺も楽しめそうかもしれない。
作者からの一言
おはようございます。
この作品をフォローしてくださる方が、100人を超えました。
なんとなく書き始めてみた小説ですが、たくさんの方に読んでいただけて恐縮してしまいます。同時に、面白い物語にできなかったときのプレッシャーもあります。
ただの一般人が書いている物なので、お手柔らかにお願いします。
いつも読んでくださる方、フォローしてくださっている方、感想、ハートをくださる方。ありがとうございます。
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