第二十九話 そして、次へ
{なぁ、蓮。篠崎さんって双子とかいないよな?}
期末テストも終わり、夏休みが近づいてきた、七月中旬。
俺は、蓮と杉山と男三人でご飯を食べていた。
「何?急に。別にそんな話は聞いたこと無いけど。」
{そうだよな}
ここ最近の篠崎さんの様子から、別人説を考えてみたのだが、やはり違ったようだ。
「なんか、最近篠崎さんと喧嘩したんだろ?」
杉山が言う。
{だから、喧嘩じゃない}
「じゃあなんだよ?」
{わだかまり、てきな?}
「なんだよそれ」
今の状況をうまく説明することはできない。
「まぁ、喧嘩すること自体は別に悪い事ではないと思うけど、ちゃんと仲直りしなよね」
{だから別に喧嘩してない}
「それそうとさ、期末試験も終わってもうすぐ夏休みだろ?この間の合宿で言っていた、やつどうするよ」
「この間いってたやつって?」
「夏になったら、みんなで蓮のうちの別荘に遊びに行くっていってたじゃん」
「あー、あれね。僕はいつでもいいけど、みんなの部活の予定を調整してみようか」
「うわー、部活の存在忘れてたー」
そういえば、中間テストの勉強会の時そんな話をしていた気がする。
「凛は?装飾部忙しいの?」
{いや、忙しくはない、けど}
「けど?」
正直あまり行きたくない。
「お前、まさか篠崎ちゃんと喧嘩しているからって来ないとか言わないよな?」
{だから喧嘩ではない}
喧嘩なんかよりよっぽど面倒なことになっているのだ。
「じゃあ来れるよな」
{まぁ}
「後は俺と、美鈴ちゃんの予定が合えば大丈夫か」
「あ、そうそう。うちのクラスの阿久津君と委員長も誘おうと思っているんだけどいいかな?」
「お、いいじゃん。俺もこの前の週末の勉強会で仲良くなったし」
最悪だ。
委員長はまだしも、阿久津君は来てほしくない。
{いや、阿久津君はちょっと}
「凛、阿久津君と仲悪いの?」
{良くはない}
「じゃあ、この機に仲良くなっちまえよ。あいつ結構いいやつだぞ?」
{いや、そういう問題じゃなくて}
「それとも何か?篠崎さんとあいつの関係が気になっているのか?」
そうともいえるし、違うともいえる。
「まぁ、僕たちは凛が優先だから。凛がどうしても嫌だっていうなら、誘わないけど」
{その言い方はずるくないか?}
「そう?」
{分かったよ}
しぶしぶ承諾する。
「よっしゃ、じゃあ、みんなで日程合わせて蓮の別荘に遊びに行こうぜ」
その日の放課後の部室
「みんな!一学期もお疲れ様!」
湊先輩が言う。
「お疲れ様でーす!」
「お疲れっす」
今日が休み前の最後の部活の日だった。
「いやぁ、今年の四月はどうなることかと思ったけど、少しずつ軌道に乗り始めたね」
「これも、入ってきてくれた後輩君たちのおかげっす」
先輩二人が言う。
「それでね、今日は皆に夏休みの予定を発表します」
湊先輩が言う。
「うちの装飾部は、夏休み期間中みんなで集まって活動するとかは基本的に無いの」
「え!そうなんですか?」
「うん。ただ、部室には基本的に毎日誰かいて、期待人が勝手に来るみたいな感じ」
「なるほど、交代で部室を開けに来るんですね」
「そうそう」
それなら、みんなとの予定も都合がつきそうだ。
「日程表は、あとでグループラインに送るから」
部活が終わり、校舎を後にして歩いていると
「ねぇ」
そう言って声をかけてきたのは、美鈴だった。
「ちょっと話さない?」
作者からの一言。
おはようございます。
最近忙しくて、更新が滞っております。
以前もお話ししましたが、今後文字数を少なくすると思います。
更新頻度も、二日に一度程度に落ちるかもしれません。
黒崎灰炉
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