第十五.五話 テスト本番

「それじゃあ皆さん、始めてください」


その掛け声とともに、高校初の中間テストが幕を開けた。


中学の時とは違いテストの教科数が多いため、数日にかけて行われる。


今日はその初日である。


先日の合宿の後も、放課後みんなで集まって勉強をしたりしたのでそこまで問題はないだろう。


部活に力を入れるためにも、赤点と補習は回避しなければならない。


(あ、この問題)


合宿で篠崎さんに教えてもらって問題もいくつか出たし、逆に俺がみんなに教えた問題もいくつか出た。


一通り問題を解き終わったら、見直しに入る。


(みんなは大丈夫だろうか?)


蓮や篠崎さんは平気だろうが、問題は杉山と唯である。


二人とも最後の最後まで不安そうな顔をしていた。


「それじゃあそこまで」


先生の掛け声とともにペンを置いて、回答用紙を提出する。


今日は、五教科テストがあるのであと四回これを繰り返す。


残りの教科も、気を引き締めなければならない。




そして、




「おわったぁぁぁぁぁ」


うるさい。


杉山が叫ぶ。


長かった俺たちの戦いも、ついに終わった。


「みんなお疲れ、手ごたえはどう?」


蓮が聞く。


「私は割とできたわ」


「私もみんなに教えてもらったから、今回自信ある!」


「特に問題はありません」


{俺も大丈夫}


「空欄はない」


みんな手ごたえはありそうだ。


何日か後にテスト返却とともに、順位発表がある。


一学年三百人くらいいるこの学校で、高順位をとるのは難しいが、できるだけ高い順位を取りたいものである。


だが、ひとまず俺たちの最初の戦いは終わった。


「私は、50位くらいだといいな。蓮は1位狙えそう?」


美鈴が聞く。


「どうかな?一桁は目標だけど」


「すごい!りんりんとふーちゃんは?」


唯が聞いてきた。


「別に決めていませんが、私も一桁に入っていたら嬉しいです」


{俺は30位前後}


「そっかぁ、みんな目標高いね!私は、半分の150位くらいだといいな」


「俺は、200後半」



みんな手ごたえはありそうだ。



次は夏休み前にある期末テストだ。


だが、その前に学生にとっての一大イベントがあるのを忘れてはいけない。


もうすぐ夏が来る。





作者からの一言


おはようございます。

今回は、いつもよりだいぶ短いお話です。

番外編や、一話分として作る気がない話は、0.5話としてたまに入れていく予定です。

0.5話分の話は500~1500文字前後の文字数にしようと思っています。


さぼりではありません。


星、フォロー、ハート、感想なんでもお待ちしております。

                           黒崎灰炉












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