(362)人生

 その昔、残業時に一息入れようと、飲み屋のカウンターで晩ごはんを食べる事かあったのだが、テーブル席で飲み会をしているサラリーマンの会話などで、


「人生ってのはなぁ、航海と同じ様なもんなんだよ。後悔だらけっつってな! ガハハ…」


 という様な、まるで色々な人生を吟味してきた評論家気取りのオッサンが、会社の部下らしき若者に説教みたいに語っているのをよく見たが、似た様な会話を、昨日ラーメン屋で見かけた。


 が、昔とはずいぶんと雰囲気は異なり、


「人生ってさ、思う様にいかないもんだよな。何をやっても高い壁に当たってばかりで、何の為に生きてるんだろうな、俺らって…」


 みたいな感じだった。


 昔は「後悔だらけだけど、成長できて未来は明るい」みたいな雰囲気があったが、今は「生きる意味を見失った」って感じで、絶望感さえ感じる訳で。


「政治のせいだ!」

 と僕が言うと、

「自分のせいだろ?努力が足りないんだよ」

 と言われ続けたものだが、いざ衆院選が終わって政治が変わりそうになっている昨今、


「生活が苦しいのは政治が原因だったのか!」


 と、最近になって気付いた人も多い様だ。


 テレビの報道でも税金については軽く触れられているが、「103万の壁」の話ばかりで、本質に迫る報道は無さそうだ。


 茹でカエルの話は有名だが、殆どの日本人が茹でカエル状態だと気付かなければならないタイミングなのだが、まだ気付かない大人も多く、いったい税金がどこまで上がれば気付けるのか、はたまた気付かないうちに茹で上がってしまうのか…


 負担率4割を超えれば農民一揆が起きたという、安土桃山時代に国民負担率日本だが、現代人は我慢強くなったのか、負担率45%の今も暴動らしき事は起こらない。


 人々がお上品になったからか、はたまた洗脳されているからかどうかは分からないが、とにかく「荒波が立たない様に生きる人生」がまるで良い事の様に思ってきた訳だ。


 2024年11月ももう下旬。


 今年も残り1ヶ月ちょっとだ。


 今年1年を振り返り、自分の生き様がどうだったかを見直してみると、なんとも成長の無い1年だったと思える訳で。


 そう思うと、ますます時間が過ぎるのが早く感じたりもする訳で。


 事実、僕の仕事が溜まっているあたり、僕の能力と時間が足りていない訳で。


 来年の話をすると何故か鬼が笑うらしいが、来年こそは成長したいものだ。


 はてさて、来年は世界が大きく動くであろう事は想像出来るが、日本がどんな社会になるのかは皆目見当付かないな。


 あと一ヶ月、少しくらいは何か成長してみたいものだ。


 そんな事を思う、今日の僕なのでありす。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る