(318)経済

 日本の経済がズタボロな昨今、しかしなぜか株価だけは爆上がりで日経平均は4万円を超えている。


 為替は1ドル160円前後が推移され、日本国内の物価は上昇傾向が止まらない。


 そもそも「経済」とは、「経世済民」の略語で、本来の意味は「世の中をよく治めて人々を苦しみから救うこと」の筈だ。


 世の中をよく治めて、人々を苦しみから救う?


 だとすれば、今の社会を見て、本当に「経済」の本分を果たせていると思えるだろうか?


 僕の答えは「否」だ。


 税金や保険料が重くのしかかって、決して「苦しみから救われている」などとは思えない。


 では、僕を苦しめているのは何か?


 それが、本来僕達庶民を救う筈の「経済」だったりする訳で。


 僕は個人事業主だ。


 決して裕福では無いが、まあ、何とか生きていけるだけの仕事量に戻りつつある気がしている。


 戻りつつというのは、コロナ禍で仕事が一気に無くなって、更に税務署から調査が入って追徴課税されて、ささやかな貯蓄を全て奪われた事から非常に苦しい生活を強いられ、約3年半の受注が無い状態から今は戻りつつあるという事なのだが、コロナ禍で受けた「コロナ融資」という借金の返済は始まっているし、元の仕事量に戻っても、借金返済などの支出が増えているので、実際には元の生活に戻れている訳では無い訳で。


 コロナ対策もコロナ融資も「政府の施策」だ。


 この施策が、今になってズシンと僕の生活を苦しめている訳だ。


 いつだったか、岸田首相が「経済!経済!経済!」と連呼してテレビをにぎわした事があったが、「経済」という言葉の意味が「経世済民」なのだとすれば、岸田首相の言う「経済」は大失敗しているのが今の政治な訳で。


 株価が上がっても、得をするのは株主と企業の経営者だけで、サラリーマンも個人事業主も何も得られない。


 今の日本経済というのは、上場企業が株主の為に利益を配当し続けるだけの、いわば「マネーゲーム」で生き残っているのが実情で、消費者が商品を買って満足し、その連鎖で消費が拡大してゆくという、あるべき実態が無い。


 空虚な「経済らしきもの」に振り回されて、庶民はいつまでも苦しみ続けるという「負の連鎖」が起きているのが今の本当の日本の姿ではないのだろうか。


 そんな利権の中に居る人間が、先日の都知事選を勝ち抜いた。


 これからやって来るのは「利権の輪の中だけで儲かる経済」がはびこる社会なのだろうな。


 輪の外にいる僕などは、これからも振り回されるばかりなのだろうという事は容易に想像がつく。


 そんな僕だけど、幸いにも言葉を発して誰かに思いを伝える事が出来る。


 僕が今持っている武器がそれだけなんだとしたら、その武器を最大限に使って戦うしかないのが現実社会だ。


 何というか、世知辛い世の中になったものだな。


 そんな事を思う、今日の僕なのであります。


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