(303)やおい

 僕の彼女曰く、最近は「やおい作品」というものが、一部界隈で流行しているらしい。


 言葉の語源は「やま無し、オチなし、意味なし」の頭文字をとって「やおい」というらしいのだが、そういえば昔、アダルト漫画とかでそういうジャンルがあったなぁと、今さらながらそんな事を思い出した訳だ。


 で、最近では主に「BL作品」をそう呼ぶ事が多いのだそうで、美少年同士の恋愛や性体験なんかを題材にしているものが多いそうだ。


 で、そうした作品は支持者が増えるにつれて、色々と新たな作品が生まれているらしく、美少年同士のまぐわいだけではなく、ダンディなおじさんと美少年だったり、兄弟だったりと、シチュエーションがどんどん増えてきているそうだ。


 僕も思春期には異性の身体に興味津々だったし、女性も同様なのだろうとは思うのだが、思春期の少年少女が想像する異性の性器の描写が、ものすごくファンタジーだったりする訳で。


 特に、今日初めて知ったのが「やおい穴」という存在だ。


 BL作品を読んだ事が無いので、一体何のこっちゃと思ったのだが、彼女の勧めで「やおい穴」についてググってみると、なんとウィキペディアに詳しく情報が掲載されているではないか。


 で、よくよく読んでみたのだが、実はとても興味深い考察が為されていた訳だ。


 特に、婦女子の皆様に「やおい穴」の存在についての派閥がある様で、


 1,「やおい穴あるよ」派

 2,「やおい穴無いよ」派

 3,「やおい穴は関係ないよ」派


 に分かれているのだそうな。


 まず、男の僕からすると「やおい穴」なる性器は存在しないと断言できるのだが、「やおい穴あるよ派」は更に細かい分類がある様で、


 A,「肉棒とアナルの間にあるよ」派

 B,「アナルが行為の時だけやおい穴に変化するよ」派

 C,「やおい穴とは呼びたくないよ」派


 に分かれるらしい。


 特に「A」の「肉棒とアナルの間にあるよ派」の中には「そこで妊娠できるよ派」もいる様で、もう僕には理解できない領域にまで広がりを見せている様だ。


 しかし、「ジェンダーレス」なんて言葉が主要メディアで報道され、日本でも「LGBTQ法」が可決されて社会問題化している昨今、もしかしたら、こうした「やおい穴」を求める勢力も一定数出て来る可能性は捨てきれない。


 まあ、男性誌でも「ふたなり女性」みたいなのが出て来る事もあるみたいだし、見た目が女性か男性かの違いしか無いよなと考えると、「やおい穴」という存在は男女共に受け入れられていると考えるのが妥当なのかも知れないな。


 僕の恋愛対象は異性だけなので、こうした感覚は理解が難しいところだが、これからはこうした事にも理解を広げる必要があるのかも知れないな。


 ジェンダー問題を考えるにしても、僕にはBL作品を書ける気はしないな。


 でも、もしかしたら百合作品なら書けるかもしれないな。


 新しい世界を知る上でも、今度チャレンジしてみるのもいいかも知れないな。


 そんな事を思う、今日の僕なのであります。

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