(286)嘘つきは泥棒の始まり
子供の頃に、学校の先生や親などから、
「嘘つきは泥棒の始まりだよ」
などと何度も言われた事がある。
何度も言われたと言う事は、子供時代の僕が「嘘つき」だったとも言える訳で。
そして、それは事実だ。
学校の宿題をやらない理由を捏造しまくり、ついに5年生まではほとんど宿題をした事が無かった訳で。
その間、言い訳のためについた嘘は数知れず。
親に捨てられたファミコンも数知れず…
良くない事だとは分かっているのに、眼の前の欲にぜんぜん勝てない、本当に理性の希薄な児童だったと自分でも思う訳で。
子供の僕が嘘をつく様になった原因は、やはり当時の大人達だった。
例えば、学校で「友達をたくさん作りましょう」と言われたとする。
で、帰宅して両親にその話をすると、
「友達なんて、沢山つくるもんじゃない」
と言われたとする。
そこで僕が思った事は「どちらかが嘘をついている」という事だった。
で、何となく大人達の会話を聞いているうちに「大人って、みんな嘘つきなんだな」と思う様になった訳で。
そんな嘘つき達の言う事など聞きたく無い。
だって、どうせ嘘なんだもの。
ならば、僕が嘘つきでも問題無いよね。
そんな流れだった気がするな。
で、小学校を卒業間近だった時期だと思うのだが、そんな僕が学校で何かやらかした時に、先生に呼び出されて、こっ酷く叱られた事があった。
その時にも保身の為に何かの嘘をついたと思うのだが、その時に先生からこう言われたのだ。
「大人はみんな嘘つきだ。だけど、ついてもいい嘘と、ついちゃいけない嘘の区別が出来る。それが大人だ。そしてお前の嘘は、子供の嘘だ」
これが当時の僕の心に、何故か深く刺さったのだ。
「どうせ嘘をつくなら、自分だけ助かろうとする為ではなく、他人を助けたり喜ばせる嘘をつけ」
という言葉もその時に言われたと思うのだが、とにかくこの言葉を噛みしめる様になってから、「嘘つきは泥棒の始まり」という言葉さえも嘘だったという事に気付いた訳だ。
そんな嘘つきな僕が大人になり、他人より少し秀でたところがあるとすれば、きっとそれは「嘘を見抜く力」が少し高いという事じゃないかと思っている。
で、そんな目で今の世の中を見ると、それはもう「嘘つきだらけ」の世の中な訳で。
その最たる者が「政治家」であり、その政治家に統治されているのが今の日本でもある訳で。
特に首相が嘘つきの代表というのは困ったものだ。
「分配無くして成長無し!」
と言っていた総裁選前のセリフに期待した人も多かったも思うが、首相になった途端に「増税」だ。
「異次元の少子化対策」
とやらもどこに行ったのか分からない内に、首相は世界一周旅行に出かける始末だし。
そう言えば「所得倍増」などという公約もあった筈だが、僕は最初から信じていなかった。
消費税は更に上がりそうだし、保険料は上がるし、国民負担は増える一方。
能登地方の地震への対応も「出来る事は何でもやる」と言っていたが、これも結局放ったらかしな訳で。
国家権力の最高機関が嘘つきの巣窟のこの国で、僕はせめ、騙されない様にしようと思う、今日の僕なのであります。
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