(280)もったいない

 世界が日本をリスペクトしていたのは過去の話なのだろうか。


「もったいない」


 という日本語が、世界に広がる事になった時代がある。


 バブル崩壊によってデフレ経済に陥った日本では、持ち物を大切にしようという流れに転換し、世界が経済成長をする中で、色々なモノを無駄にしていた事を反省する意味で「日本のモッタイナイを参考にしよう」という流れになった。


 これが25年位昔の事だ。


 で、今年。


 日本政府はコロナワクチンを大量に廃棄するんだとか。


 その金額「6000億円以上」のものらしいのだが、廃棄にかかる費用も含めれば、更に高額になるのだろう。


 ワクチンによる薬害も報告されている中で、残ったワクチンを副反応の原因究明に使うでも無く、廃棄するんだそうな。


 ワクチンによる薬害を認めさせようと集団訴訟を起こした遺族や被害者達から見れば「薬害の証拠を隠滅しようとしている」と見られそうな気もするが、今の日本政府が「嘘つきだらけ」だという事実を鑑みれば、集団訴訟を起こした人達の言い分の方がしっくり来るな。


 ちなみに、僕はワクチン接種はしていない。


 当時の家族からは「ワクチン打たないならこっちに来るな」と言われたり、「健康の為に、ちゃんと打っておけ」などと強く薦められたが、何度断ってもしつこい両親に「はいはい、ちゃんと打ったよ」と嘘をついてでも、このワクチンは打ちたく無かった。


 代わりに健康的な食事を心掛け、基礎的な免疫力を高める様に努めはしたが。


 結果、僕はコロナにも罹らなかったし、後遺症も無い訳で。


 で、日本政府が廃棄しようとしているワクチンにかかった費用について、厚生労働省は「無駄では無かった」という見解らしい。


 いやいや、「モッタイナイ精神」はどこにいった?


 世界が日本人の「モッタイナイ精神」をリスペクトした、あの「モッタイナイ精神」はもう死んでしまったのか?


 と思っていたが、とある人がこう言っていた。


「モッタイナイ精神は今も健在だよ。ただ、庶民を救う為にお金を使うのがモッタイナイと考えているだけの事だ」


 …なるほどな。


 政府がそんな事を考えているとは思えないが、しかし現実を見てみれば、そう考えた方が辻褄が合う。


 つまりは、僕も政府から「お前を助ける為に金を使うのはモッタイナイんだ」と思われていた訳か。


 どうりで、コロナ禍でも個人事業主に対する給付金が少なかった訳だ。


 …何だかため息が出そうな話だな。


 今の僕はこう思っている。


 税金を払う事こそが「モッタイナイ」のではないかと。


 皆さんはどう思いますかね?

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